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2016 年度 実施状況報告書

青年期における睡眠の質に関連する要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K01684
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

松永 哲郎  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10452286)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード睡眠 / 食習慣 / 精神的健康 / PSQI / GHQ / STAI / BDHQ / 栄養素
研究実績の概要

本年度は、調査対象者数の拡充を実施し、19~29歳(21.0±0.1歳)の若年者278名(男性:135名 女性143名)について調査分析を行った。
睡眠状況をピッツバーグ睡眠調査票(PSQI)、食習慣を簡易型自記式食事歴法質問票、精神的健康と特製不安をGHQ12とSTAI A-traitによりそれぞれ評価した。また、基礎的事項として、年齢、BMI、運動習慣、喫煙歴、最近1ヶ月の体調を質問紙により調査し、PSQIの各項目との相関を調べた。
解析の結果、男女ともにPSQIの合計点(高値ほど睡眠の質が低下)とGHQ12、STAI、最近1ヶ月の体調不良との有意な正の相関がみられた。また、特に男性において、PSQI高値群(6点以上)は低値群(3点以下)と比べて、栄養素別摂取頻度では、β-カロテンやレチノール当量、葉酸、ビタミンK等ビタミンの摂取比率(摂取エネルギー1000kcalあたり)が低値であり、ショ糖の摂取比率は高値を示していた。食品群別では、緑黄色野菜や豆類の摂取比率(摂取エネルギー1000kcalあたり)がPSQI高値群で低値群よりも有意に低く、砂糖・甘味料、嗜好飲料の摂取比率では高値を示していた。
以上の結果から、若年者の睡眠の質低下には精神的健康の低下や不安傾向が関連しており、男性においてはビタミンやショ糖の摂取量、食品群では緑黄色野菜や砂糖や嗜好飲料の摂取量と睡眠の質との関連性が示唆された。以上より、睡眠の質低下の改善には、精神的健康に加え、食習慣についても考慮する必要性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通り、調査対象者数の拡充と分析を実施することができた。また、解析結果により、睡眠の質の指標値と栄養素の摂取頻度や食品群の摂取頻度との有意な相関を認めることができた。

今後の研究の推進方策

被験者の拡充と同時に、遺伝子解析や睡眠計による睡眠の質の測定を実施する予定である。また、取得したデータの多変量解析を実施し、若年者の睡眠の質に寄与する要因の詳細な分析を行いたい。得られた知見については国内外で論文・学会・その他で発表の予定である。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子解析の対象とする遺伝子多型の選定に遅れが生じたため、その解析に使用する試薬の購入を次年度へ繰り越した。

次年度使用額の使用計画

遺伝子解析の対象する遺伝子多型を選別し、その多型解析用の試薬やプローブ購入費用等に充当する。

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公開日: 2018-01-16  

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