研究課題/領域番号 |
15K01686
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80363985)
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研究分担者 |
小坂 喜太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60363983)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児肥満 / FTO遺伝子 / エピジェネティクス / 視床下部 |
研究実績の概要 |
FTO (Fat mass and obesity related)遺伝子は成人の肥満や2型糖尿病と強い相関をしめす遺伝子として知られている。FTOはヒトやほ乳動物の組織でユビキタスに存在する遺伝子/タンパクとして知られる。とくに視床下部に豊富に存在するN6-メチルアデノシン脱メチル化酵素として、脳におけるエネルギー状態を感知するセンサーとしての役割が想定されている。エピジェネティクスに関与する遺伝子(タンパク)FTOと小児期に形成される肥満の関連は注目に値する。 今回我々は、FTO遺伝子多型と小児肥満の関連について検討した。2012年から2017年3月現在にかけて京都府内に在住する小児肥満85症例、正常体格/無症候性の中学生341名をリクルートした。症例数や正常対象数が増えたため、FTO遺伝子多型rs9939609について再度解析を行っている。さらに、FTO遺伝子多型 rs726790, rs11644943について検討を進めている。また、TMEM18およびIRX3の遺伝子多型についても検討を加える予定である。 またエピジェネティクスの異常に起因する自閉性発達障害モデルマウス(MeCP2 ノックアウトマウス)に高脂肪食負荷を行った実験の結果を各関連学会で報告した。高脂肪食を負荷した本モデルマウスは、視床下部の摂食に関わるニューロンの機能障害の結果、高度の肥満を生じることが判明した。エピジェネティクスの機序が肥満の形成に寄与している可能性が強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小児肥満症例のリクルートが85症例に到達したが120ー150症例の解析を目標としている。正常体格/無症候性の中学生のエントリーは順調に進んでいる。食行動の調査アンケートも順調に回収が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子多型解析の症例数を増やすこと、とくに肥満症例の集積に努力する。FTO遺伝子の多型に加えて、TMEM18およびIRX3の遺伝子多型についても検討を加える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通り予算を使用したが、小額の予算の余剰が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に繰り越し、実験用試薬や消耗品の購入費に充当したいと考えている。
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