研究課題/領域番号 |
15K01687
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
|
研究分担者 |
篠原 光児 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00206111)
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
江口 善章 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (10249469)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 児童養護施設 / 児童 / 高齢者 / 教育支援 / ボランティア |
研究実績の概要 |
本研究は児童養護施設入所児童に対するおよそ2年間にわたる高齢者ボランティアの教育支援活動が、入所児童の高齢者イメージや学校生活に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。研究参加者として、A児童養護施設に入所する小学1年生から中学1年生までの児童生徒37名(男子21名、女子16名)、地域の高齢者ボランティア3名(男性2名:67歳、79歳、女性1名:69歳)を選んだ。調査内容は、「基本属性(学年、年齢、性別、氏名)」「高齢者に対するイメージ」「学校生活」「不定愁訴」「自己効力感」「学校環境適応感尺度」を選択し、自記式アンケート調査法により回答を求めた。調査は平成28年2月(第1回)、平成28年4月(第2回)、平成28年9月(第3回)、平成29年11月(第4回)の合計4回行った。 分析の結果、以下の知見が得られた。①一般的な高齢者に対する年齢イメージは、第1回目と初期と比較して3回目(7カ月後)、4回目(21カ月後)に有意に上昇していた。②高齢者に対する「温かい」イメージ得点は、第1回目と比較して第2回目(2カ月後)に有意な差がみられた。その他の項目では有意な差はみられなかったものの、「親切」「やさしい」の得点が上昇傾向にあった。③学校環境適応感においては、「友人サポート」得点が第2回目と第3回目と比較して第4回目に有意に上昇していた。 およそ2年間にわたる計4回の調査を通して、高齢者との交流が児童養護施設入所児童の高齢者の年齢イメージの形成に役立ち、高齢者イメージをポジティブな方向へ変化させていたことが示唆された。学校生活の中の友人との関係においても望ましい変化が看取され、児童養護施設入所児童に対する高齢者ボランティアによる教育支援活動は入所児童に対して有意な効果を及ぼすことが示唆された。
|