研究課題/領域番号 |
15K01696
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研究機関 | 武庫川女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
山本 周美 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (60441234)
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研究分担者 |
和栗 雅子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 母性内科・主任部長 (80538900)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 糖代謝異常 / 糖尿病 / 妊娠 / 糖質 / 炭水化物 / 食物繊維 / 食事療法 / 身体活動 |
研究実績の概要 |
今年度は症例数を増やし、糖代謝異常妊婦のべ38名の栄養摂取状況と身体活動状況を調査した。栄養摂取状況は妊娠中期および後期にBDHQへの回答、食事写真の提出を依頼し、それらを分析することで把握した。身体活動状況については3軸加速度センサー搭載の活動量計を妊娠中期および後期にそれぞれ2週間装着を依頼し、エネルギー消費量、歩数、3メッツ以上の活動時間、1週間の総活動量、座位時間および座位時間割合を評価した。これらの情報と診療録より得た血糖指標、血中脂質および母児アウトカムとの関連について検討を行った。 炭水化物摂取量および摂取割合はHbA1c、グリコアルブミンと相関しなかったが、食後血糖値とは正に相関した。また、総コレステロール値およびLDL-コレステロール値とは負に相関した。このことから、炭水化物を減らすことで食後血糖値は下がるものの、相対的に増える脂質摂取により血中脂質が増えることが示唆された。しかし、児体格との相関は認められなかった。炭水化物の中でも食物繊維は摂取量を増やすことで食前・食後血糖値が下がり、分娩時体重増加量と児の出生体重も適正範囲内で小さくなることが認められた。 身体活動との関連については、3メッツ以上の身体活動が23メッツ・時/週以上の場合、血糖コントロールが良好であることが示唆された。また、座位時間が長くなると血糖コントロールが不良で、かつ分娩時体重増加量が増え児の出生体重SD値が高くなる傾向が認められた。したがって、適切な身体活動を行い、座位時間を短くすることで良好な血糖コントロールと母児アウトカムが得られることが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖代謝異常妊婦のエントリーは増えたが、対照群の健常妊婦が少ない状状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は症例数を確保するため、研究協力病院を1か所増やすこととした。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究協力していただける糖代謝異常妊婦が少なく、予定より症例数が集まらなかった。そのため、謝金、活動量計の消耗品、食事分析にかかる費用の支出が予定より少なくなり、次年度へ繰り越すこととなった。
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