研究課題
最終年度:運動による骨代謝改善およびI型コラーゲンへの糖化防止の評価(北村、池亀、鈴木、本多担当)高デンプン餌で飼育したキンギョを、給餌後キンギョ用遊泳負荷システムを使って1時間遊泳負荷を2週間した運動群と静止安静群に分け両群の間で再生ウロコの遺伝子発現およびコラーゲン線維間架橋割合を調べた。運動群ではいずれの骨形成マーカー遺伝子発現量も増加傾向を示し、統計学的に有意な増加はI型コラーゲンで見られた。また、再生ウロコから抽出したコラーゲン線維の泳動像では、安静群でコラーゲンモノマー線維の分子量の増加とα鎖(モノマー)に対するβ鎖(ダイマー)およびγ鎖(トリマー)の存在比が増加傾向を示した。しかし、運動群では有意な増加は見られなかった。この結果から、食後の血糖増加時間帯に軽度負荷でも実施することにより骨形成が増加する可能性とタンパクの糖化を防ぐ可能性が示唆された。研究期間全体:魚類の特徴を利用し、高でんぷん含有餌で食後高血糖状態キンギョモデルを作製した。高でんぷん含有餌による高血糖キンギョモデルの再生ウロコを使い、通常餌群との比較から高血糖が及ぼす骨代謝への影響を解析した。その結果、骨代謝マーカー遺伝子発現に統計学的に有意な変化はなかったが、高血糖モデルの再生ウロコでは、糖化によりI型コラーゲン線維の分子量増加と線維間架橋割合の増加傾向が示された。また、糖化コラーゲン線維の3点曲げ試験解析から糖化コラーゲン線維間架橋割合の増加と共に弾性率低下と曲げ強度(降伏応力)の有意な低下を記録した。以上より、高血糖により骨の主構造タンパクI型コラーゲン線維にも非酵素的糖化が起り、柔軟性の低下による力学的強度が低下している可能性が示唆された。また、高デンプン餌で飼育したキンギョを、給餌後1時間遊泳負荷をした結果、骨形成マーカー遺伝子発現量の増加とコラーゲン線維の糖化抑制が見られた。
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http://ridb.kanazawa-u.ac.jp/public/detail.php?id=2619