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2017 年度 実施状況報告書

ロコモティブシンドローム予防のための包括的介入プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K01710
研究機関京都大学

研究代表者

池添 冬芽  京都大学, 医学研究科, 准教授 (10263146)

研究分担者 市橋 則明  京都大学, 医学研究科, 教授 (50203104)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードロコモティブシンドローム / 運動機能 / 地域在住高齢者
研究実績の概要

平成29年度は地域在住高齢者のロコモティブシンドローム(ロコモ)の悪化に影響を与える因子について明らかにすることを目的として、ロコモに関して追跡調査を行い、ロコモの悪化と運動機能との関連についての縦断的検討を行った。
対象は滋賀県長浜市在住の健常高齢者でロコモ調査・運動機能評価を行った873名中、1年後にロコモ追跡調査を実施できた389名(男性127名,女性262名,年齢67.0±4.9歳)とした。ベースライン測定としてロコモ調査および運動機能の評価を行い、1年後にロコモの追跡調査を実施した。ロコモの調査にはロコモ25を用いた。運動機能として筋力(握力,膝関節伸展筋力,股関節屈曲筋力,股関節伸展筋力,股関節外転筋力,足趾把持筋力)、静的バランス機能(片脚立位保持時間)、動的バランス機能(Timed Up and Go)、筋パワー(5回立ち座りテスト)、筋持久力(30秒段差昇降回数)、歩行速度(通常速度,最大速度,二重課題下速度)を測定した。ロコモ25の1年間のスコア変化量の結果から、上位40%五分位の者をロコモ維持向上群、下位40%五分位を悪化群とした。ロコモ悪化群、維持向上群を従属変数とし、ベースライン時の運動機能および年齢を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った。
ベースラインでのロコモ25スコアは6.5±8.0点、1年後は8.0±9.8点であり、1年後に有意な増加を認めた。多重ロジスティック分析の結果、股関節屈曲筋力(オッズ比;0.38倍,95%信頼区間;0.15-0.95)のみが有意な関連因子として抽出された。
本研究の結果、ロコモの悪化には運動機能のなかで特に股関節屈曲筋力が関連していることが示され、高齢者のロコモ予防において、股関節屈曲筋力を評価介入していくことの必要性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロコモと運動機能との関連についての横断研究はいくつか見受けられるが、運動機能を多面的に評価し、ロコモの悪化にはどのような運動機能が関連しているのかについて大規模サンプルで縦断的に検討した報告はみられない。そこで本研究においてはロコモの悪化と関連する運動機能について多面的、縦断的に検討した。
しかしながら、本研究においてはロコモと運動機能との関連しか検討できておらず、例えば運動機能の低下から引き起こされる重大な問題として挙げられている転倒との関連については今後の検討課題と考える。

今後の研究の推進方策

平成30年度は地域在住高齢者の運動機能と転倒との関連について明らかにするため、転倒歴に関して追跡調査を行い、転倒と運動機能との関連について前向きコホート研究を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)平成29年度の研究目的は地域在住高齢者のロコモティブシンドローム(ロコモ)悪化に関連する運動機能について多面的、縦断的に検討することであり、本研究目的は達成したものの、対象者数は当初予定していた人数よりも少なかったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。
(使用計画)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Association between the locomotive syndrome and physical function in community-dwelling older adults: A longitudinal study.2017

    • 著者名/発表者名
      Ikezoe T, Isono R, Ichihashi N, Tabara Y, Nakayama T, Matsuda F, Tsuboyama T.
    • 学会等名
      The 22nd Annual Congress of the European College of Sport Science.
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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