研究課題
生活習慣病のリスクファクターとして肥満や高血圧症、糖尿病などが指摘されているが、癌を含む全死亡に占める死亡リスクとしては喫煙が一番高い。H.27年度は老化遺伝子であるKlothoに対する喫煙の影響についての検討を行い、喫煙による老化の促進や健康障害の分子メカニズムを明らかにした。かねてより喫煙による健康障害が女性で大きく、脳血管障害や虚血性心疾患に対する喫煙のリスクにおいて、男性に比較して女性で高いことが知られている。H.28年度には、喫煙による健康障害の性差の基盤となる分子メカニズムの解明を目指した。女性喫煙者では男性で観察されるように喫煙による炎症性ストレスに対して、代償的に抗炎症作用をもつa-Klothoが上昇していないこと、Klotho関連分子に対する喫煙の影響には性差があることを初めて報告した。H.29年度には、Klotho関連分子が喫煙だけでなくさまざまなストレスに対してマーカーとなる可能性について研究をすすめ、生活習慣の中で睡眠不足や精神的ストレスを自覚している場合にもa-Klothoが上昇すること、Kessler Screening Scale for Psychological Distress (K6)スコアと同じ傾向を示すことを初めて明らかにした。最終年度には、これらの研究成果をもとにKlotho関連分子がさまざまなストレスに対してマーカーとなる可能性について発展的に研究をすすめ、a-Klothoがストレスの気づきや回避、さらには良好な睡眠の指標となること、またこれらにも性差があることを明らかにし、a-Klothoがストレスの新たなバイオマーカーとして有用である可能性についての研究成果を報告することができた。
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