平成29年度は、スクエアステップエクササイズ(SSE)サークルに参加する地域在住高齢女性を対象に,サークルの参加年数ごとで運動機能および認知機能への効果に違いがあるのかどうかを横断的に比較した.本研究の対象者はN県I市に在住し,自立した生活を送る高齢女性で,平成29年度に地域でのSSEサークルに継続的に参加している者であった.参加年数に応じて,1年未満群(15名:80.0 ± 3.0歳),1~2年群(18名:78.1 ± 2.5歳),3~4年群(20名:79.4 ± 3.0歳),5年以上群(57名:80.5 ± 3.8歳)に分けた.運動機能の評価として,体力測定を実施した.測定項目として,①握力(kg),②開眼片足立ち(s),③30秒椅子座り立ち(回/30s),④8の字歩行(s),⑤豆運び(回/30s)の計5項目を選択した.また,体力年齢の算出には中垣内らが作成した体力年齢推定式を用いた.認知機能評価には,矢富らによって開発された集団認知検査ファイブ・コグ(以下,ファイブ・コグ)を用いた.結果,認知機能検査においては,サークルへの参加年数ごとでの差は見られなかった.一方,運動機能においては,体力測定の測定項目ごとでは有意な差は見られなかったが,総合評価である体力年齢について,参加年数1年未満群より,5年以上群の方が,有意な若返りが見られ,参加年数が長い方が,運動機能が高くなる可能性が示唆された.
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