研究課題/領域番号 |
15K01730
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
長田 卓也 東京医科大学, 医学部, 講師 (60297281)
|
研究分担者 |
上野 竜一 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (20384951)
村瀬 訓生 東京医科大学, 医学部, 兼任准教授 (10317894)
勝村 俊仁 東京医科大学, 医学部, 名誉教授 (80214352)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 上肢運動 / 下肢運動 / 脳血管障害 |
研究実績の概要 |
本研究の実施計画では、片麻痺脳血管障害者の局所運動時における循環調節の検証を目的に、運動療法可能なブルンストロームステージ3前後で理学療法実施可能者を対象としている。脳血管障害対象者の多様な障害像の中で一律となる本研究遂行のための基準を満たす対象者が少なく、計測方法や実施手順等に関しても検討を費やすこととなったが、簡易式掌握運動機器エルゴメータの設計を作成し、5名の片麻痺対象者に対して非麻痺側上肢運動を実施し、運動時の非麻痺側上肢及び麻痺側上肢、ならびに両下肢大腿、あるいは下腿の酸素循環動態について検討した。麻痺側上肢はブルンストロームステージ3を対象としているが、多くの対象者は随意的な運動に制限があり、非麻痺側上肢運動中に、随意的な運動はみられなかったにも関わらず、酸素動態が運動とともに変化するケースも認められた。この現象(メカニズム)を証明するには、今後より多くのデータ検証が必要であるが、推論としては運動肢からの中枢性フィードバックを介した麻痺側上肢の骨格筋循環への影響の存在を示唆する所見であると考えられた。 一方、脳血管障害等の運動療法の循環動態に関する知見等の情報を得るために、心臓リハビリテーション学会やリハビリテーション学会等に参加した。リハビリテーション領域で頻繁に使用する強度の異なる6種類のゴムバンドをそれぞれ足関節に巻き、そのゴムバンドを伸張させることで得られる動的膝伸展動中の下肢血流量(超音波法)の計測を行った。負荷強度依存性に下肢血流量の増加が検証され、この結果は膝伸展モデルにおいて血流制限下(切断肢)における循環動態についてジャーナル誌Physical Therapy and Rehabilitationに公表した。これらの研究成果をもとに、さらに、脳血管障害における麻痺肢循環動態について考察を深めることへの足掛かりとなった。
|