研究課題/領域番号 |
15K01731
|
研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
石原 淳子 相模女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30415509)
|
研究分担者 |
岩崎 基 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 部長 (60392338)
高地 リベカ 奈良女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60413085)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 生活習慣病 / 健康教育 / 食生活 / 減塩 / 無作為化比較試験 |
研究実績の概要 |
日本人のナトリウム摂取量減少のための再現可能で具体的な方策を提示するためのエビデンス構築を目的として、家庭調味による料理(汁物)の塩分濃度測定(モニタリング)の減塩への有効性を、多様な日本人集団において定量的に検証する無作為化比較試験を実施した。 まず、パイロット研究の解析を行ったところ、クロスオーバー後半の介入では、モニタリングの効果が前半の教育効果により影響を受けている可能性が明らかになったことから、クロスオーバーを行わない方法に変更した。それによって、対象者数を倍にする必要が生じた。一方、先行研究の解析では、味覚変容への効果が明らかにならなかったため、本研究ではモニタリングの有効性に焦点をあて、味覚評価を行わないデザインとした。低塩調味料とのファクトリアルデザインは踏襲し、先行研究との比較性を担保した。対象集団は年齢の下限を設けず、様々な地域で募集し、若い世代、幅広い地域性など、異なる対象者特性における介入効果も検討できるようにした(パイロット研究では新潟県在住の高齢者)。対象者は年間を通して4回にわけて募集したところ、神奈川県、東京都および奈良県において、合計149名(男性54名、女性95名)が参加に同意した(目標人数約130名)。同意が得られた対象者に、調査の説明会を行い、ベースライン調査を実施した。調査項目としては、24時間蓄尿による尿サンプル、体重、および生活習慣に関する情報の提供を受けた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
27年度の当初計画としては、目標数130名のうち、70名程度の参加を想定していたが、藤沢市、町田市など、減塩に対する関心の高い市と協定を結んで実施したため、予想を上回る人数の参加を得ることができた。また、大学職員や近隣の住民からも協力を得ることができ、さらに、奈良県においても、生活協同組合の協力を得て、活動員や職員から対象者募集をすることが可能となり、結果として、27年で、全体の目標人数を上回る参加者から同意を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
対象者の募集は目標人数達成したので、今後は引き続き追跡調査において、24時間尿および生活習慣アンケートの収集を行う。追跡調査は、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後の3回行う計画であり、第一グループは6ヶ月後まで、第二グループは3ヶ月後の追跡調査が終了している。第三、四グループに関しては、28年4月から7月まで、介入(調味料送付およびモニタリング)を各家庭において実施中である。介入終了後は、追跡調査を行う。収集した検体は順次、塩分濃度測定を行う。アンケートに関してはデータ入力を行い、解析データセットを作成する。追跡調査は29年3月には終了するため、その後解析を行う。また、終了した対象者には結果説明会と、個人の塩分摂取量に関しての結果返却を29年度にかけて行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
27年度末から28年度にかけて、ベースライン調査と介入を断続的に実施したため、支出が流動的になり、少額を次年度に繰り越した。
|
次年度使用額の使用計画 |
今後は各グループ順次介入、追跡調査を実施するため、介入資材の物品費、送料等に加え、追跡調査会場への交通費、収集した尿検体中の塩分濃度測定費、各帳票データ整理に関する人件費などの支出を予定している。また、結果説明会のための旅費、郵送料なども必要となる。成果報告のため、学会参加費や旅費、論文の投稿料などとしても使用予定である。
|