研究課題/領域番号 |
15K01733
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (00351213)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サルコペニア / フレイル / 低栄養 / MNA |
研究実績の概要 |
後期高齢者が要介護状態に陥る主要な原因は虚弱であり、その背景因子としてサルコペニアや低栄養がある。そのため、それらの早期発見および早期予防が重要となる。そこで、サルコペニアの初期状態であるプレサルコペニアとMNA(mini-nutritional-assessment)の関連を調査することで、サルコペニア初期における低栄養との関連を明らかにする。 調査対象者のうち調査項目に欠損のある者およびサルコペニアに該当した37名(5.6%)を除いた620名(男性:276名、女性:344名)を対象とした。調査項目は、年齢、性別、身長、体重、BMI、四肢骨格筋量、SMI(Skeletal muscle mass index)、握力、歩行速度、MNAである。サルコペニアの診断は骨格筋量の減少(SMI:男性7.0kg/m2未満、女性5.7kg/m2未満)に加え、握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)または歩行速度の低下(1.0m/秒未満)を認める対象者をサルコペニア、いずれにも該当しない対象者を正常、正常またはサルコペニアに該当しない者をプレサルコペニアとした。またMNAの点数が24点以上の場合を栄養状態良好、23.5点以下を低栄養およびリスクとした。 サルコペニア分類による正常は492名(男性228名、女性264名)、プレサルコペニアに該当した者は128名(男性48名、女性80名)であった。低栄養およびリスクに該当した者は7.9%であった。低栄養およびリスクに該当した場合のプレサルコペニアの有病率は、正常グループの18.4%に対し、低栄養およびリスクに該当したグループのプレサルコペニアの有病率は46.9%であった(OR=3.83、95%CI=2.09-7.00、p<0.01)。 MNAによる低栄養の評価はサルコペニアの初期段階であるプレサルコペニアにおいても関連性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象者が確保でき、予定している調査項目のデータが得られつつあり、横断調査としての解析が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
同じ対象者について、再度リクルートし、縦断調査としてのデータベースを整えていく予定である。また、調査脱落者および同意撤回者についての対応も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加が予定より少なかったことおよびデータ整理が完全ではないこと。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会発表予定および調査データ整理解析を進める。
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