研究課題/領域番号 |
15K01738
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
朱 容仁 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (00389016)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 紅参 / ジャンプ運動 / マイクロCT / 骨微細構造 / 骨強度 |
研究実績の概要 |
平成27年度では、「成長期ラットの骨微細構造および骨強度に対する紅参の効果:運動負荷による相違の検討」について検討し、以下のような成果が得られた。 実験には10週齢のWistar系雄性ラットを用い、6週間安静群(CON)、6週間紅参投与群(RG)、6週間ジャンプ運動群(JUM)の3群に分けた。JUM群は、1日10回、週5日の頻度で、6週間のジャンプ運動を実施した。RG群には、1日100mg/kg、週5日の頻度で、6週間の経口投与を実施した。実験終了後、大腿骨遠位骨幹端領域の骨梁微細構造をマイクロCTにて撮像し、3次元骨量構造指標および骨密度を求めた。 その結果、大腿骨骨幹端海綿骨の骨量、骨梁の厚さ、数および骨密度は、JUM群がCON群およびRG群に比して、有意な高値を示した。一方、RG群は、CON群に比して、骨量および数に有意な高値を示した。 近年、紅参は卵巣摘出ラットの骨減少症を抑制する作用があるとの結果が報告されている。一方、本研究では、骨梁構造および骨密度はジャンプ運動による影響が大きく、成長期ラットでの紅参投与の効果は少ないことが示された。しかし、ジャンプ運動ほど大きな変化は認められなかったものの、紅参は骨梁数の増加に寄与して骨体積比を増加させる傾向を示しており、成長期ラットの大腿骨遠位骨端海綿骨の骨量を増加させる可能性は得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験は予定通り終了している。しかし、解析までは長時間かかる有限要素解析法による骨強度測定は、現在も解析中である。また、骨組織形態計測に関しては、骨サンプルの固定に時間がかかるので、今後、伊藤骨形態計測研究所にて依頼分析する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度研究課題である「成長期ラットにおける紅参投与とる運動負荷の併用が骨微細構造および骨強度に及ぼす相乗効果」について予定通り実施する。しかし、平成27年度研究課題で、先行研究と同じ紅参投与量にも関わらず、紅参効果はごくわずかでありので、今年度の研究課題では、対応策として紅参の投与量を増やす必要があると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
骨組織形態計測の分析依頼が少し遅れたため
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次年度使用額の使用計画 |
今年度中、骨組織形態計測の分析依頼し、使用する。
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