研究課題/領域番号 |
15K01760
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
温水 佳世子 宮崎大学, 医学部, 医員 (20648117)
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研究分担者 |
山下 善弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30254634)
永田 順子 宮崎大学, 医学部, 講師 (50264429)
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722)
小泉 淳一 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00150334) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 顎口腔機能異常 / 口腔周囲筋 / 筋刺激 / 筋電図 |
研究実績の概要 |
現在、睡眠時無呼吸やブラキシズム、クレンチング、歯牙接触癖といった顎口腔機能異常の治療には、口腔装置による対症療法が行われている。 本研究では、こういった顎口腔機能異常が、自律神経活動、睡眠リズム、消化管活動、身体的・神経学的な疲労・ストレス、ホルモン分泌などの全身的不調を惹起し、それが子どもの問題行動につながっているという仮説を立て、筋電図電図モニターを用いた周波数解析・多変量解析から神経生理学的に検証を行うものである。また、顎口腔機能異常に関わるターゲット筋と閾値を算出し、これらを改善するためのプログラムを構築し、口腔顎顔面筋マッサージ、口腔機能訓練や装置を用いた機能的負荷刺激などの口腔顎顔面筋刺激を与えたときの変化を調べ、効果を検証してきた。 これまで、咀嚼筋の一部(咬筋、側頭筋)および開口筋である舌骨上筋群の一部(顎二腹筋前腹、顎舌骨筋)の筋活動を抽出するために検査を行った。対象は、顎口腔機能異常を呈する小児および成人各3名とし、咀嚼・舌・嚥下運動、口腔装置による機能附加、筋マッサージ、構音動作、呼吸動作などの口腔顎顔面筋刺激を与え、筋活動の変化を記録した。周波数解析および複数データの多変量解析を行い、機能異常群と健常群との比較および年齢の影響を考察した。 本年度は、さらに被験者の数を増やし筋の対象を咬筋、側頭筋、口輪筋、顎舌骨筋としたデータ採得を行った。顎口腔機能異常を有する被験者では、通常時嚥下、噛みしめ時に口輪筋が主に活動し、咀嚼筋の活動は微弱であった。一方、筋機能訓練装置(FKO)を装着した状態であると、嚥下や噛みしめ時に口輪筋の活動よりも咀嚼筋の活動の方が強く表れ、正常な筋活動を行えることがわかった。このことより、顎口腔機能異常を有する患者に対し、正常な機能を獲得する訓練装置として、FKOは有用であると考えられた。
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