| 研究課題/領域番号 |
15K01767
|
|---|
| 研究機関 | 白鴎大学 |
|---|
研究代表者 |
平田 乃美 白鴎大学, 教育学部, 教授 (20308224)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| キーワード | オープン教育 / 子ども / 個別化学級環境尺度 / 現実環境 / 選好環境 |
|---|
| 研究実績の概要 |
平成28年度は，オープン教育実施校の児童242名（5年生男子62名女子66名，6年生男子61名女子53名）を対象にこれまでに実施した日本語版「個別化学級環境尺度ICEQ」の選好・現実各フォームの集計（現実・選好の学級環境比較，性差，学年差，学級環境評価と家庭環境や個人属性との関連，等）および選好・現実各フォームの主成分分析/因子分析を行った。
また，日本語版「ICEQ」選好・現実フォーム各50項目（合計100項目，5件法）の主成分分析/因子分析において成分の抽出に困難があった下位次元の内容を吟味するため，オリジナルの尺度構成における選好・現実フォーム各尺度の内的整合性（Cronbachのα係数，および尺度全項目間の相関係数）を算出した。選好・現実各フォームのオリジナルの5つの下位次元：(1)個人指導 Parsonalization，(2)参加性 Participation，(3)自主性 Independence，(4)探求性 Investigation，(5)個別化 Differentiation，各項目についての項目分析の結果，オリジナル下位次元の各尺度について，人間関係の深さや質，相互の支え合いの程度を意味する【人間関係】次元（個人指導，参加性）では一定の内的整合性が認められた一方，個人の成長の方向性を示す【個人発達と目標志向】の次元（自主性，探求性），および学習環境における規則性や一貫性，見通しの立てやすさ，変化に対する反応性の程度を意味する【組織維持と変化】の次元（個別化）では一部の下位尺度内に内的整合性，項目間相関の低さが認められ，海外で開発されたICEQオリジナル尺度のわが国での適用における項目内容に修正すべき課題があることを確認した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では，研究期間前半に測定尺度の整備を行い，期間後半に広範囲の本調査を実施する予定であったが，前半において一部計画を変更して学習環境を想定したストレス実験に取り組んだため，調査実施の進捗に一部遅れが生じた。しかし，平成29年度に日本語版「個別化学級環境尺度ICEQ」選好・現実各フォームの分析を完了したことから、次年度においては遅れを取り戻せる状況にあると判断できる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題の主なねらいは，オンライン上の人間関係なども含めた新しい学級環境測定尺度の作成であった。今後は，研究期間前半に取り組んだ学習環境を想定した「ストレス実験」の結果や海外尺度の日本版作成において示唆された知見を踏まえ，次年度早期の尺度構成の完了をめざす。尺度完成以後は，当初の研究計画通り，本調査の実施と集計・分析へと進める予定である。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の前半において，本研究課題に役立つ知見が得られると想定されたため，当初の研究計画を一部変更して「学習環境を想定したストレス実験」に取り組んだ。そのため，当該年度に計画していた本調査実施が次年度に繰り越された。次年度使用となった助成金については，次年度実施予定の本調査に係る，謝金，旅費，データ整理および入力補助の人件費，等のために使用を計画している。
|
