研究課題/領域番号 |
15K01776
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研究機関 | 鎌倉女子大学 |
研究代表者 |
飯村 敦子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (70326982)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ムーブメント教育 / 子育て支援 / 包括的支援 / 子育て支援者 / エンパワメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳幼児とその母親を支えるムーブメント教育による子ども・子育て支援プログラムを開発・適用すると共に、母親と子育て支援者のエンパワメントという視点からその効果を検証することである。 平成29年度は、ムーブメント教育による子育て支援教室において、発達段階に基づくムーブメントプログラムの開発を行い試案を作成した。具体的には、Babyムーブメントプログラム(0~12月児対象のプログラム)、Walkersムーブメントプログラム(13~36ヶ月児対象のプログラム)、Runnersムーブメントプログラム(19~36ヶ月児対象のプログラム)である。プログラムは、いずれも子育て支援に関わる教室や家庭で、支援者や母親が子どもと共に楽しめるような環境を構成するための支援ツールの活用方法を中心に、具体的な活動の内容について検討した。Babyムーブメントプログラムは、身体全体への触覚的な働きかけを中心に固有感覚を促すプログラムで支援者や養育者からのマッサージやタッピング、さらには座位から立位への姿勢変換を促す内容で構成されている。Walkersムーブメントプログラムは、移動運動(這い這いから歩行)確立に向けて、支援者や養育者の身体や支援ツールを活用したダイナミックな前庭感覚刺激のための方法、這い這いから立位、歩行への姿勢・移動を促す内容で構成されている。Runersムーブメントプログラムは、歩行から粗大運動確立に向けた感覚運動機能を育てるために、多様な動きを引き出す支援ツールを活用する内容で構成されている。いずれのプログラムも養育者と子どもが家庭で楽しめるように理解しやすい形で構成した。さらに、これらの試案を元に、子育て支援教室等で活用できるプログラム集の作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳幼児を持つ母親の子育ての楽しさ・充足感の実態に関する調査、豪州(NSW)の母子支援施設(The Infant's Home)での資料収集を背景に、平成29年度はムーブメント教育による子育て支援教室において、発達段階に基づくムーブメントプログラムの開発を行い試案を作成しプログラム集の作成に着手することができたことから、研究計画に基づき概ね順調に伸展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を遂行する中で、発達に気がかりな円を有する子どもと母親への継続的な支援を実施し、その効果について検証する必要性が生じた。今後は、支援プロジェクトの実施とプログラムの普及を図ると共に、継続的に支援が必要となる親子の事例研究にも取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、プログラム開発にあたり支援ツールの新規購入の必要性が生じなかったことによる。今後、ムーブメント教育による子育て支援の効果を検証するにあたり、テキスト分析(質的研究)を行う必要があるので、そのためのソフト購入等に支出予定である。
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