今年度は海外4か国において、学会発表、研修受講、病院見学等を行い、海外における先進的な事例を学んだ他、国際大会において日本におけるHPSの活動を発表することにより、今まで行ってきた研究成果を世界へ発信することができた。 ニュージーランドでは、HPS専門職団体が主催する国際大会において、日本のHPSが開発した「メディカルかるた」について研究発表を行った。また、親子の関係性を修正、強化するために効果的なフィリアルプレイセラピーの研修を受けた。 チェコ共和国では学会に参加し、研究発表を行った。学会を主催するOMEPは、幼児教育・保育に関する研究の振興、幼児教育・保育に関する情報の伝搬、幼児、殊に困難な状況にある幼児のためのプログラムの促進、保育者養成への協力を行うために1946年に設立された国際団体であり、初期メンバーが英国HPSの養成に深く関わっている。 インドでは、ドラマセラピーを確立したSue Jennings博士のトレーニングに参加した。また、Children's Firstが主催したシンポジウムに参加し、ポスター発表を行った。 イギリスでは、多職種の連携を見ることを1つのテーマとし、15歳以上の難病指定を受けている疾病のある子ども5人が在籍する特別支援学校のクラスに入り3日間を過ごした。私が研修を行ったクラスには、教員の他に二人のTeaching Assistant(医療的ケアを行う資格を保持している)、一人の介護福祉士(特定の子どもを一人担当し、医療的ケアを行う資格を保持している)、そしてボランティアが入っていた。介護スタッフも教員資格を持っていたり、その場にふさわしいトレーニングを受けている。医療的ケアの講習会も段位があり、少しずつステップアップしていく方式になっていた。日本の子どもたちも、このような連携が存在する環境の中で教育、福祉、医療を受けられたら良いと感じた。
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