海産環状エーテル化合物は、特異な構造と強力な生物活性を有している事から、構造決定や全合成研究が盛んに行われてきた。その一方で、生合成研究は、渦鞭毛藻のゲノム解析が進んでいないこと、渦鞭毛藻による生産量が微量であること、梯子状ポリエーテル化合物の構造が複雑であることなどのために、あまり進んでいなかった。 環状エーテル化合物の推定生合成前駆体モデル化合物を合成し、渦鞭毛藻酵素抽出液とのインキュベーション実験により、環状エーテル化合物の生合成に関与すると考えられる側鎖の酸化反応とエポキシドの開環を触媒する酵素を渦鞭毛藻酵素液中に発見した。
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