細胞性粘菌のポリケタイド合成酵素SteelyはI型酵素とIII 型酵素が融合した特徴的な構造を持つ。この酵素は細胞性粘菌の発生中期に柄細胞分化誘導分子のDIF-1を合成する。しかし、産物はDIF-1 だけではない。本研究においてSteelyB酵素の第2の産物として塩素化されたジベンゾフランLCC-1を同定し、その詳細な構造決定した。この化合物の生合成経路を、放射性同位体36Clラベルや、Feeding実験により検証した。その結果DIF-1生合成の最初の2つの酵素はLCC-1合成にも共通して使われていて、発現場所を変えることによって、LCC-1生合成システムへとスイッチしていることが分かった。
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