研究課題
全ての血液細胞の源である造血幹細胞は、大人の体内では骨髄の内部で休眠状態にあるが、発生中の胎児では肝臓(胎児肝)で活発に増殖している。造血幹細胞はストレスに弱く、体外で増殖させるとすぐに機能が低下してしまうことが知られているため、胎児肝の中ではどうして増殖が可能であるのか謎のままであった。当研究グループは以前、造血幹細胞はタンパク質を正常に折りたたむ能力が低いため、体外培養すると異常なタンパクが蓄積して死んでしまうことを発見していた。今回、申請者らは胎児肝では食物の消化に使われる胆汁の主成分である“胆汁酸”が異常タンパク質の蓄積を防いでいることを明らかにした。胎児肝の胆汁酸が減少するマウスを解析したところ、増殖するはずの造血幹細胞が大幅に減少していることが判明した。これらの発見は、白血病治療などに対する骨髄・臍帯血移植技術の改良に繋がるだけでなく、妊娠期に胎児に起こる疾病の解明など貢献するものと期待される。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件)
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