強心配糖体ウアバインのアグリコンであるウアバゲニンは、単なる生合成前駆体であると考えられてきた。しかしながら、本研究によってウアバゲニンが肝X受容体(LXR)のリガンドとして機能することを明らかにした。また、ウアバゲニンは既存のLXRリガンドが引き起こす脂肪肝誘導を起こさないにもかかわらず、他のLXRリガンドと同様に腎臓での上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)の発現を抑制することが明らかとなった。ウアバゲニンは副作用の少ない降圧利尿薬として有望な開発候補であり、LXR機能解明のツールとしても期待できる。内因性因子としてのウアバインとの関係性解明にはさらなる検討が必要である。
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