葉酸受容体は多くの上皮がん細胞表面で過剰に発現し、新たな化学療法剤の標的となっている。本研究課題において、この受容体に認識される簡単な蛍光分子であるジアミノプテリジンを基にして、がん細胞中でのみ蛍光がon状態になる機能性分子の開発を目指した。そして本研究により、葉酸受容体の認識部位であるプテリジンを蛍光色素部位として有し、がん細胞中で特異的に発現しているグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどの酵素活性によって蛍光がoff/on制御でき、蛍光on状態で紫外線照射することでGリッチなDNA配列に対して酸化的ダメージを与えることのできる多機能性分子の開発に成功した。
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