研究課題
ユーザが身体動作を想起した際の脳波を検出する運動想起型BCI(brain-computer interface)の正答率向上のため,脳活動信号をユーザにリアルタイムで提示しながら課題の遂行を求めるニューロフィードバック(NF)訓練を行う際,被験者に提示するフィードバック情報を統計的手法により取得する方法を検討した.以下に得られた結果の概要を示す.1. 運動想起時のNF実験の効果の検討:健常ヒト被験者に対して運動想起時のNF実験を行い,その効果を詳細に検討した.NFの信号は,大脳運動野から生じるμ帯域脳波とし,Laplacian型空間フィルタ,ICAによって設計した空間フィルタを用いてNF信号を抽出した.本実験の結果,手掌の把持動作の想起に伴い生じるERDが,NFにより増大し,その頭皮上の空間分布が局在的になるケースが認められた.2. 皮質電流の推定手法による運動想起関連応答の抽出手法の検討:運動想起に関連する脳活動を,脳波の信号源推定に基づいて脳波から抽出するために,階層的変分ベイズ法による皮質電流の推定アルゴリズムVBMEGを用いた運動想起時の脳活動の解析を行った.その結果,脳の構造に基づいて皮質電流を推定するVBMEGによって分離された運動想起関連の応答信号は,上述の空間フィルタを用いて抽出した信号に比べ,S/Nや空間分解能の点で信頼性が高いことを示唆する結果が得られた.今後は, VBMEGによって得られる皮質電流信号を信号源としたNF実験を実施し,その有効性を示す必要がある.
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
電子情報通信学会技術研究報告
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