本プロジェクトは3年計画であり、その最終年度である平成29年度は研究計画に従い、ドイツ連邦軍の国際協調活動、とりわけアフガニスタンにおける活動(2001年~14年)に関連する学術図書や論文、関係文献の収集と分析に努めるとともに、文献調査や聞き取り調査の分析を基に、研究成果の一部を学会や国際会議における発表や学術論文の執筆を行った。 国防省、ドイツ国際安全保障研究所、連邦軍社会科学研究センターなど関連研究機関における聞き取り調査に続き、平成29年度は連邦議会議員や政党関係者、研究者、報道関係者らに対する聞き取り調査を実施したほか、関連する公文書や議会資料、各政党の資料の入手に努めた。これまでに入手し、あるいは提供を受けた公文書や関連文献、学術論文などについては順次読み込みと分析の作業を行った。 研究成果の一部はすでに、中村登志哉編著『戦後70年を越えて―ドイツの選択・日本の関与』(平成28年、一藝社)として刊行したが、平成29年度はその後の調査も踏まえ、研究成果の一部をグローバル・ガバナンス学会第10回研究大会(平成29年5月)において「ポピュリズム比較と国際秩序」、国際関係史学会日本支部(CHIR-Japan)研究大会(平成29年11月)で「ドイツの欧州政策とBREXIT」と題する口頭発表をそれぞれ行った。国外では、ウェブスター・ウィーン大学主催による国際会議‘The European Union’s Asia Policy in a Transatlantic Context’において、招待発表を行った。このような口頭発表の内容を基に、論文「2017年ドイツ連邦議会選挙における『ドイツのための選択肢』議会進出の分析」(『グローバル・ガバナンス』第4号、グローバル・ガバナンス学会編、平成30年3月)を発表した。
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