研究課題
ロシアの優れた日本学者であるD.M.ポズドネエフ(1965-1937)の在ウラジオストク東洋学院とその日本学の中心的人物であったE.G.スパルヴィン博士との関係、ポズドネエフ訳『日本歴史読本』に関する論争、その背景にあった事情を始め、同氏のロシア日本学における活動及び日本学における学術的達成を明らかにした。特に、日本滞在(1905~1910)中に編纂された複数の教材の特質、ロシアのキリスト正教東京ミッションとの日本語教育における協力などを考察し、同氏の日本語教育に関する論文の内容、日本語教育者としての立場などを分析した。日露戦争(1904~1905)後の日露関係改善を図った同氏のジャーナリズムの分野における活動を焦点に『Russia』紙など当時のロシアの中央新聞に掲載された記事の内容を分析し、同氏の日本に対する態度、ロシアの愛国主義者としての読者への影響を考察した。本研究の最終年度では、ロシア帝国王室東洋学会付属の東洋実践アカデミー(1910~1917)に焦点をあて、ウラジオストクの東洋学院で登場したロシアの実践東洋学のサンクトペテルブルグの教育施設への波及、東洋実践アカデミーにおけるD.M.ポズドネエフの教育者及び実践日本学推進者としての活動、同氏執筆の日本語教材及び1911年に刊行された日本についての講義集を考察し、N.I.コンラド、E.D.ポリワノフなど次世代のロシアの日本学者の養成へのポズドネエフによる貢献を明らかにし、同時に1910年代における専門的なジャーナリストとしての活動を複数の新聞記事の分析を通して究明した。ソビエト時代の日本学者乃至東洋学者としてのD.M.ポズドネエフの役割も究明し、ロシアの日本学におけるその著書及びジャーナリズムの意義について論述した。ソビエト時代の同氏のジャーナリズムに関する資料が少なく、更なる研究が必要である。
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『言語文化研究』
巻: 44 ページ: 243-262
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Материалы XXXIII Российско-японского симпозиума историков и экономистов ДВО РАН и района Кансай (Япония)
巻: 33 ページ: 編纂中で未定
http://jairo.nii.ac.jp/0030/00076612
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I028513617-00
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