昨年度(2017年度)は、甘粛省張掖地区で中国側の研究者と討論会を開催し、現時点での研究成果を議論した。同時に張掖地区での農村・農家視察を行うと同時に関係資料の収集も行った。また出稼ぎ労働者が多く就業している家政紹介書(北京市と大連市)で彼ら彼女らの就労や生活実態を調査した。北京や大連の書店や図書館で関連の資料を収集した。さらに広東省陸豊地区の農村で社会経済状況の調査を行うと同時に水稲栽培、畜産経営者などから経営状況などを聞き取りした(そのうちいくつかの農家の子育て事情も聞き取りした)。一方、2017年7月の『中国農村経済』(中国社会科学院:北京)に私たち研究チームの行った調査およびその研究成果の一部をまとめたものが掲載(論文名「日本過疎化地区的新動向:特征、治理措施及其啓示」)された。 研究目的、研究実施計画に照らし合わせた場合、一昨年度(2016年度)は宮崎県の各地区(高原地区や綾地区など)で農家からの経営状況、後継者の状況、今後の取り組みについて聞き取りを行っただけでなく、行政機関(町役場など)、農協などでも情報交換(情報収集)を行った後、昨年度(2017年度)は中国・甘粛省張掖地区を中心にして農村・農家調査を行ったことから、日本と中国農村の過疎状況を一定程度理解することができた。かつ研究成果も徐々に公表しはじめていることから、おおよその研究目的・研究実施計画が達成されているということができる。
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