研究課題/領域番号 |
15K01896
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
岩田 晋典 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (10513278)
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研究分担者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
加納 寛 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30308712)
須川 妙子 愛知大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40342125)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 東亜同文書院 / 旅行記 / 南方 / 近代 / アジア |
研究実績の概要 |
初年度に当たる平成27年度の研究実績は以下の4項目に分けることができる。1)「大旅行」調査史料の整理作業、2)それぞれの担当者による「南方」方面「大旅行」調査の分析、3)台湾における現地調査、4)定期的な研究会の開催である。本研究は、「大旅行」調査をとおして近代日本人青年と“アジア”の接触を浮き彫りにすることを目的としており、そのための大きな一歩を踏み出すことが出来たと言える。 1)「大旅行」調査史料の整理作業:これは、愛知大学図書館所蔵の『大旅行誌』全33巻のうち、分析対象となる箇所を特定し、その上で複写・ファイル化するというものである。分析の初期段階として不可欠の作業をおおむね完了できたことは大きな意味を持つ。 2)「南方」方面の各「大旅行」調査の分析:岩田/台湾、加納/東南アジア、須川/中国大陸内陸部、塩山/香港という分担にもとづき、各担当者が個別に研究を進めた。各研究成果は、平成29年度東方書店より刊行予定の『東亜不動文書院生、アジアを行く!!』(研究分担者である加納寛が編集)の一部として広く一般社会にも公開される予定である。 3)台湾における現地調査:研究分担者4名それぞれの専門領域にもとづく比較分析を目的に、平成27年度は台湾に焦点を当てて、2月に共同で現地調査を行った。現場での刺激的な知的交流・意見交換、地理的な事実関係の把握、史跡の視察、そして史料の収集など、きわめて有意義なフィールドワークとなった。 4)定期的な研究会の開催:以上の作業を行うために、研究会を春学期2回・秋学期3回開催し、進捗状況を相互確認するとともに、その時点での分析結果の共有に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者間の密な連携を通じて、基礎史料となる『大旅行誌』の整理をおおむね完了することができた。また、「南方」地域の「大旅行」調査の分析を各地域の担当者が進め、その成果が平成28年度中に刊行予定となっている。さらに、共同の現地調査を実施して本研究のポイントである重層的な比較分析を実践することができた。以上の3点を念頭に置けば、本研究が平成27年度に予定した研究段階、すなわち「南方」4地域における「大旅行」調査の実態解明、ならびに「大旅行」調査の経験層の分析という二つのタスクは、おおむね達成したと言って良い。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、今年度の作業を発展させると同時に竹村文庫(愛知大学図書館所蔵)の分析に着手する。まず前者については、平成27年度と同様に各地域における「大旅行」調査の分析にそれぞれの担当者が取り組み、その一方で共同の現地調査を行う。平成28年度は香港で行う予定である。後者については、愛知大学豊橋図書館に保管されている竹村文庫の中で「南方」に該当する記述を抽出し、「大旅行」調査の記述との違いを念頭に置きつつ分析を進める。なお、これらの作業を進めていく上で、研究会を定期的に開催し、研究内容の共有・意見交換を深めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度末に購入するパソコンを購入しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に購入するパソコン購入代金に充てたい。
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