研究実績の概要 |
本研究は、社会階層と労働移動の関係を分析するものである。その事例としてインドのビハール州農村部からの移動を取り上げている。H27年度は、文献レビューおよび過去に代表者が実施したビハール州農村部での家計調査のデータ整理を行い、家計レベルにおける出稼ぎ労働の有無を被説明変数とし、カースト分類(一般カースト(General), その他後進階級(OBC), 下層後進階級(EBC), ムスリム(Muslim), 指定カースト・指定部族(SC/ST))、土地所有、その他家計の特性を説明変数としてpreliminaryな回帰分析を実施した。その結果、ムスリムの高いモビリティが確認されたが、SC/STのそれは優位でなかった。一方で、データの叙述的観察ではSC/STのサブカースト間(ジャート)でのモビリティには差異が見られており、詳細な分析が必要となる。またインドネシアのインドラマユ県を訪問し、社会階層およびジェンダーと労働移動の定性調査を行い、ビハール州農村での調査へのインプットを得た。
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