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2018 年度 実績報告書

インド農村部からの労働移動と社会集団(ジャート)の関係:ビハール州の実証分析より

研究課題

研究課題/領域番号 15K01899
研究機関立命館大学

研究代表者

小田 尚也  立命館大学, 政策科学部, 教授 (30436662)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード国際労働移動 / 看護師 / 南インド / 北インド
研究実績の概要

2018年度は看護師の国際労働移動に焦点を当て、その決定要因について地域性等を踏まえ分析を行った。インドはフィリピンと並ぶ看護師の供給地であるが、看護師供給の分布は一様でなく、地域的要因を始め様々なファクターによって決定されることが導き出された。ここではそのうち南北格差を中心にインタビュー調査結果をもとに説明する。まず看護師の国際労働移動は南インドから海外に出かけるパターンが主で、南と比較するとUP州やビハール州など北インドのそれは少ない。その背景には、看護師教育における北インドと南インドの教育の質の違いがあること、また家族間関係が大きく影響していることが判明した。南の教育は英語が主であり、かつ海外出稼ぎを目的する学生の学習意欲が高く、海外でも通用する教育が行われている。一方、北部はヒンディー語による教育でかつ学生のモチベーションも低く、海外出稼ぎへの指向も少ない。このような南北差がさらに南での看護教育の質を高め、一方で北での教育の質低下に影響しているものと考えられる。一般的な傾向として、南部の州と比較するとUP州やビハール州など北インド諸州では、Diplomaコース修了の看護師が多く、一方、南部のケーララやタミル・ナードゥ州ではBScが主となっている。また家族間における関係性も決定的な要因となっている。南部では歴史的な背景からタミル・ナードゥ州からマレーシヤ、シンガポールへ、またケーララ州からは対岸の湾岸石油産出国への労働移動が多く、国際労働移動が広く許容されている。一方、北インドでは、本人が海外出稼ぎ労働に行きたくても親の許可がでないため難しいという回答が多く聞かれた。その他、インタビュー調査から北インドの病院の医師は南インドで教育を受けた看護師を好む傾向にあり、それは北より南の看護教育の方が充実していること、また南インド人がより勤勉であることを理由として挙げている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Does Local Government Capacity Hamper Improvement of Basic Education? An Analysis at the District Level in Indonesia2018

    • 著者名/発表者名
      Thia Jasmina and Hisaya Oda
    • 雑誌名

      International Journal of Economics and Management

      巻: 12 ページ: 181-196

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] インド人看護師の海外労働移動の意思決定に関する分析2018

    • 著者名/発表者名
      小田尚也
    • 学会等名
      日本南アジア学会全国大会
  • [学会発表] Emerging Trends in Nurse Migration from India: A Case of Tamil Nadu2018

    • 著者名/発表者名
      Hisaya Oda
    • 学会等名
      Association for Asian Studies in Asia Conference 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] An Analysis of Nurses’ Intention to Migrate Abroad: A Case of Tamil Nadu, India2018

    • 著者名/発表者名
      Hisaya Oda
    • 学会等名
      Seminar of Nurse Migration Survey 2017-2018

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公開日: 2019-12-27  

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