研究課題/領域番号 |
15K01904
|
研究機関 | 島根県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
塩谷 もも 島根県立大学短期大学部, 総合文化学科, 准教授 (90456244)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | インドネシア / 服飾 / アイデンティティ / グローバル化 / イスラーム / バティック |
研究実績の概要 |
前年度に実施した服飾、グローバル化、イスラームに関する文献調査をさらに進展させ、研究の枠組みを明確化させた。また、これまでの研究成果を、2つの口頭発表および1つの論文にまとめて提示した。 総合文化講座・島根県立大短期大学部松江キャンパス公開講座において、7月13日に「インドネシアの今を衣服から知る」と題する講演を行ない、バティック布をめぐる現状についての研究成果を、一般向けに提示した。 11月には東京・浅草において実施された「ハラールエキスポ2016」のフィールド調査を実施し、日本および東南アジアのムスリム・ファッションの現状について、データ収集を行なった。 また、東京外国語大学アジア・アフリカ・言語文化研究所において12月10日に実施された、シンポジウム「トランスカルチャー状況下における顔・身体学の構築」において、「多様なムスリム・ヴェールが伝えるもの―インドネシアの事例から」と題する報告を行ない、ムスリム・ファッションに関する研究成果を提示した。 論文としての成果提示は、Increased Interest in Islamic Clothes and Its “Correctness” in Indonesiaと題する論文をまとめ、インドネシアのムスリム服をめぐる状況を分析した成果を明らかにした。本研究論文は、2017年に東京外国語大学より、東南アジアのイスラームと文化多様性に関する学際的研究(第二期)成果論集として、出版予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27度にインドネシアにおいて実施した調査データを活用しながら、研究を継続し、論文(Increased Interest in Islamic Clothes and Its “Correctness” in Indonesia)にまとめている。さらに、口頭発表では、一般向けの公開講座で「インドネシアの今を衣服から知る」、シンポジウムで「多様なムスリム・ヴェールが伝えるもの―インドネシアの事例から」という題で発表を行ない、成果提示を行なっている。 また、東京・浅草で実施されたハラールエキスポにおいて、ムスリムファッションに関する調査を実施し、データを収集するなど、フィールドワークも継続的に実施している。また、文献調査についても、順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、海外におけるフィールドワークを実施することで、服飾のグローバル化とその影響に関するデータ収集を実施する。バティックとムスリム服に関して、東南アジアにおける状況を調査する。また、文献調査も継続して実施しつつデータ分析をすすめ、段階的に成果提示を行ないながら、服飾を通じたアイデンティティに関する研究をさらに推進する。 なお、今年度から服飾に関する共同研究にも参加予定であるため、日本も含めた他地域の状況との比較を行なうことにより、議論を深め、研究をさらに進展させる計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2016年9月に計画していたマレーシアおよびシンガポールにおける海外現地調査が、家族の病気と長期入院により付添が必要となり、実施が不可能となってしまったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
2017年度に実施予定の国内外における現地調査のため、主に旅費として使用する計画である。また、研究に必要な本の購入等にもあてることも予定している。
|