• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

ラテンアメリカにおける農業企業の拡大

研究課題

研究課題/領域番号 15K01906
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

清水 達也  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 主任調査研究員 (00450510)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードラテンアメリカ / ブラジル / 大豆 / 農業企業
研究実績の概要

平成28年度の実績は2つに分けられる。1つは以前から研究に取り組んできたペルーの青果物輸出における農業企業に関する研究成果の出版で、もう1つは、ブラジル中西部の大豆生産における農業企業の参入に関する文献調査のとりまとめである。
前者について研究代表者は、平成29年3月に『ラテンアメリカの農業・食料部門の発展―バリューチェーンの統合』(アジア経済研究所 研究双書No. 627)を出版した。この第3章「青果物輸出産業の成長」は本研究の成果の一部で、平成28年8月にペルーで実施した農業企業へのヒアリング調査の成果を取り入れている。農業企業は輸出する青果物を多様化することで、労働需要や施設稼働を平準化し、これまでに構築した流通網を他作物においても活用し、そして作柄や価格変動がもたらす不確実性の低減を行っている。これにより競争力を向上し、輸出を拡大していることが明らかになった。
後者については、平成29年3月にアジア経済研究所に提出した調査研究報告書「途上国における農業経営の変革」の第7章「拡大するブラジルの穀類生産と企業的家族経営」に文献調査などの成果の一部を取り入れた。近年生産が拡大するブラジルの大豆へは多くの投資資金が流入しているが、その受け皿となっているのが農場管理企業や農地投資管理組織である。これらは国際金融市場で調達した資金を利用して、数万から数十万ヘクタールの規模で大豆をはじめとする農産物の生産を手がけている。これらの農場管理企業には国内やアルゼンチンなど近隣諸国はもちろん、北米やアジアなどの企業が出資していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度に実施していた調査のうち、文献調査は予定通り実施できたが、現地調査はペルーの農業企業に限られ、ブラジルでは実施できなかった。

今後の研究の推進方策

平成29年度6月と8月にブラジルでの現地調査を実施する。その際に、家族経営と比較した農業企業の経営や生産管理の特徴や、その競争力について、聞き取り調査を行う。また、青果物輸出が盛んなメキシコ中部での調査についても実施が可能か検討中である。調査結果をすみやかにまとめて、国内外の学会で報告する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度の現地調査は、アジア経済研究所で実施している研究会の現地調査と連続して実施したために、旅費や日当・宿泊費などが想定していたよりも少額になった。

次年度使用額の使用計画

平成29年度はブラジルで大豆生産にかかわる農業企業に対するヒアリング調査を実施する。また、メキシコの青果物輸出企業に関する調査について、現在実施可能性を検討中である。また、ラテン・アメリカ政経学会や、International Food and Agribusiness Management Associationなど、国内外の学会での成果報告を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 図書 (2件)

  • [図書] ラテンアメリカの農業・食料部門の発展2017

    • 著者名/発表者名
      清水達也
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      アジア経済研究所
  • [図書] 『途上国における農業経営の変革』第7章「拡大するブラジルの穀類生産と企業的家族経営」2017

    • 著者名/発表者名
      清水達也
    • 総ページ数
      112-135
    • 出版者
      アジア経済研究所

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi