研究課題/領域番号 |
15K01915
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
菊地 利奈 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00402701)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 近現代詩 / 女性詩 / 翻訳論 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
2016年7月に、大津旧公会堂にて「第2回日英翻訳詩歌朗読講演会―女の詩声が降る―」を開催。会には、現代女性詩を代表する詩人、伊藤比呂美氏、平田敏子氏、新井高子氏、現代女性歌人の川野里子氏、田中教子氏、日本文学研究者で翻訳者のジェフリー・アングル西ミシガン大学教授、キャロル・ヘイズオーストラリア国立大学教授を招き、バイリンガルで現代女性詩歌の朗読をおこなった。一般公開とし約100名が出席、京都新聞、中京新聞に写真入りの記事が大きく取り上げられた(滋賀大学経済経営研究所HPにて報告書公開)。 同7月には、日文献教授の坪井秀人氏、タスマニア大学教授のバーバラ・ハートリー氏、ベオグラード大学教授の山崎佳代子氏らを招き、第三回詩と翻訳ワークショップ「描く女・描かれる女」を開催。ワークショップでは、「翻訳できる詩できない詩―現代の<女>が描く<女>たち」と題した研究発表をおこなった(同HPにて報告書公開)。 8月以降は、科研(国際共同研究強化)研究のため、オーストラリア国立大学の客員教員となり、研究を開始。 また、鳥取県立図書館から依頼を受け、『鳥取ゆかりの女性文学者』(郷土出身文学者シリーズ11)の代参照として、いた女性文筆家の生田花世についての執筆担当した(2017年3月刊行)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2016年12月から、オーストラリア国内のキャンベラ大学やディーキン大学の教員らと共同研究「現代日本女性詩翻訳プロジェクト」を立ち上げ、ジェン・クロフォードキャンベラ大学准教授らと、現代女性詩の共訳を開始した。2017年9月に対訳書を出版することが決まり、現在翻訳作業をすすめている。 オーストラリア国立大学教授のキャロル・ヘイズ氏との共訳でおこなってきた女性の書いた戦争詩については、対訳詩集の出版社が決まった。2017年度内の発行を予定している。 共同研究者が、計画していたよりもずっと増えたことにより、研究の幅が飛躍的にひろがった。より大きなスケールで研究が進められるようになったことは予想以上の成果である。 国際共同研究強化の助成を受けたことにより、研究全体が、計画していた以上にひろがりをみせ進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
6月にWollongong 大学で開催されるJSAAにて、「Politics in Women’s Poetry: Poems by Fukao Sumako (1888-1974) and Nagase Kiyoko (1906-1995)」と題したパネル発表をおこなう。 8月に出版社Recent Work Pressに現代女性詩の対訳詩集用原稿を入稿し、9月に対訳詩集を刊行する。 3月末までに、女性が書いた戦争詩の対訳詩集を刊行できるよう、準備をすすめる。 上記の翻訳作業をすすめながら、1920年代~40年代の女性詩についての研究をすすめ、論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、科研(国際共同強化)の研究にともない、オーストラリアへ研究地を移動させることに研究計画に変更が多少生じたため、予算執行にも変更が生じた。そのため、研究助成金にも残高が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に研究成果発表費用にあてる。
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