研究課題/領域番号 |
15K01916
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
茶園 敏美 京都大学, アジア研究教育ユニット, 研究員 (60738748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ジェンダー / GHQ / 性病対策 / パンパン / PHW / 占領軍 / 米兵 / 占領期 |
研究実績の概要 |
本年度は海外調査を、2015年11月25日~同年11月30日ハワイ大学にて占領期の資料調査をおこなった(国内調査は多数のため省略)。また、2014年度に出版した拙著『パンパンとは誰なのか』の書評会のゲストスピーカーとして、2015年7月2日:立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会主催、2015年7月27日:大阪大学大学音人間科学研究科コミュニケーション社会学牟田和恵大学院ゼミ主催にそれぞれ参加した。 メディア:研究内容が、2015年4月3日「占領期の性暴力問い直す 慰安所、パンパン…相次ぎ研究書」と『京都新聞』朝刊に掲載された。また、2015年8月15日放送NHKBS『戦後ゼロ年』および2015年12月13NHKBSプレミアム『踏まれた草にも花が咲く』において、それぞれ占領期の資料提供者となった。 社会・国民への発信:2015年9月27日に米軍占領下の女性への性暴力をテーマとして発信した。主催はアムネスティ・インタナショナル日本北摂グループ/「慰安婦」問題の解決を求める北摂ネットワーク・豊中。また、2015年10月4日京都大学アカデミックディ2015「占領期二都物語☆京都・神戸の平和と人権」にパネル出展した。さらに、2015年11月14日にも、米軍占領下の女性への性暴力について発信した。主催は、性暴力を許さない女の会11月公開講座 性暴力を許さない女の会。 シンポジウム:2016年3月12日におこなわれたシンポジウム「戦争と性暴力の比較史へ向けて」「占領地におけるパンパの作られかた・語られかたと性暴力」を報告。主催は立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2015年4月3日「占領期の性暴力問い直す 慰安所、パンパン…相次ぎ研究書」と『京都新聞』朝刊に報告者の研究内容が掲載され、占領期の証言者が現れたため、占領期の聞き取り調査を行なえたことによる。目下、その成果を本として執筆中。
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今後の研究の推進方策 |
占領初期沖縄のGHQ資料と、沖縄での聞き取り調査と資料調査から、沖縄においてさらに研究をすすめる。占領期日本においては、インタビュー資料を帰納法でさらに分析した成果を2016年3月12日に行われたシンポジウムで報告したので、その報告をもとに、論文としてまとめる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも進展があったため、関係する国内外の調査を今年度中に行なう必要性がでてきた。具体的には研究課題に関してきわめて重要な生き証人が現れたことによる。証言者が高齢のため証言がとれる間に証言をとる必要があるのと、この証言を裏付ける資料調査も同時並行に行なう必要が出てきたため。
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次年度使用額の使用計画 |
想定外の高齢の生き証人が現れたため、平成27年度は当初の計画以上の調査を行なうこととなったが、この調査結果は平成28年度以降の研究遂行にきわめて重要なため、平成28年度以降に請求する金額は減るものの、研究を遂行する上では大きな問題はない。平成28年度以降は本年度の調査内容をもとに、より精緻な研究を遂行できるため、減額した予算以内で研究目的の達成を目指すことが出来る。
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備考 |
3月12日のシンポジウムが、朝日新聞に掲載―戦争と性暴力、「比較史」の視点 京都でシンポ、各国の状況考える― http://www.asahi.com/articles/DA3S12308763.html
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