本研究は、第2次世界大戦後の占領期日本で米軍による性病対策を明らかにした。これにより、米軍の占領政策である日本における性病対策を解明したことは、学術的意義が大きい。本研究を進める過程で、当時をよく知るかたがたが現れた。その成果は、単著本を出版することに繋がった。単著本で、占領政策の一環として実施された米軍の性病対策のための強制性病検診は占領地女性の尊厳を奪う性暴力であったことや、占領地女性が占領兵と交際していたのはさまざまな事情があったということを、社会や国民に広く伝えることができた。その結果、尊厳を奪われ沈黙している女性たちの尊厳を取り戻す支援の輪を広げることができ、この社会的意義は大きい。
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