本研究では、主に日清・日露戦争期の帝国日本における人身売買の実態について調査し、その原因としての近代公娼制度の形成過程を明らかにした。また、国際的な廃娼運動団体が、日本の公娼制度の存廃問題に、どのように介入し、当時の日本社会にいかなる変化をもたらしたのかを明らかにした。 それらの研究成果は、単著(林葉子『性を管理する帝国-公娼制度下の「衛生」問題と廃娼運動』大阪大学出版会、2017年)および、共編著(林葉子・青木直子(編)『開く日本・閉じる日本-「人間移動学」事始め』大阪大学文学研究科、2017年)にまとめた。
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