研究課題/領域番号 |
15K01923
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研究機関 | 藤女子大学 |
研究代表者 |
木脇 奈智子 藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (00280066)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フィンランド / 子育て / ジェンダー / ネウヴォラ / デイケアセンター / 家族支援 |
研究実績の概要 |
まずフィンランドに関する文献収集および日本国内におけるフィンランド人研究者とのジンポジウム及び研究会等に参加し、フィンランドの家族支援に関する知見を深めた。具体的には、フィンランドセンター主催セミナー、同フォーラム「Academic Discussion Forum Perspectives on Equality Issues in Finland and Japan」(2015.6.6-7)、北海道大学サスティナビリティweeksにおけるフィンランド・ジョイント・シンポジウム(2015.6.6-7)、北海道フィンランド協会主催のフィンランド・セミナー(2015.10.31,11.29)、関西家族社会学研究会(2016.1.23)、北海道ネウボラ研究会(2016.3.31)等である。 また、第1回現地調査(2015.8.2-14)として、ロバニエミ市のネウヴォラ、デイケアセンター(保育所)およびラップランド大学教育学部ジェンダーユニットを訪問し研究交流会を実施した。予定通りフィンランドの家族支援の概要と現状を把握することができた。 本研究について平成27年度に発表した成果は以下のとおりである。口頭発表:木脇・太田、日本家政学会第67回大会「家族支援の比較ジェンダー研究(1)」(於:いわてアイーナ、2015.5.29)、木脇・太田、国際ジェンダー学会2015年度大会フォーラム「雇用の流動化と子育て支援」企画(於:東京女子大学、2015.9.5)。論文:木脇「ジェンダー平等な子育て支援の構築に向けた展望と課題」『国際ジェンダー学会誌』Vol.13、p.p.33-44,(2015.12.25)木脇・太田「フンランドの家族支援ーロバニエミ市のネウヴォラとデイケアセンターの現地調査から-」『藤女子大学QOL研究所紀要Vol.10,p.p.5-12(2016.3.31)などの成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、初年度はおおむね予定通り順調に研究を進捗することができた。一方、現地調査では、予想していたよりも英語が通じない場面が多く、フィールドワークにおけるフィンランド-日本語の通訳の必要性など、今後に向けた課題を発見した。連携研究者との2人分の旅費を支出したが、フィンランドにおける物価(とりわけ宿泊費)が当初計画していたよりも高かったこと、日本国内の移動が多かったことなどから、予定よりも旅費の支出が多くなり、その分物品の購入が少なくなった。この点は初年度の反省を踏まえて3年間の支出の中で調整していきたい。 また、研究をどのように焦点化していくかについても知見を入れながら考えていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の前期計画は、日本家政学会第68回大会でのポスター発表(金城学院:2016.5.29)、フィンランドセミナー登壇(7月24日)、北海道大学大学院主催オープンセミナー登壇(同28日)における日本国内でのフィンランド研究者との研究交流をメインとする。これらの作業の中で後期現地調査の焦点化と準備を行う。 10月1日から10日間程度、第2回現地調査を実施する。ハーメリンナにおけるネウヴォラ・ナース養成校とユバスキュラ大学家族研究センターを中心に調査を実施する予定である。ネウヴォラおよびケアラーの理念と養成課程。フィンランドにおける男性へ問題の取り組み、すなわち、父親になること、DV防止、DV加害者対策、アルコールやドラッグなどの依存者対策など、家族の内外における男性に対する社会的なケアに重点を置くことで、ジェンダー研究の視点を明確にしていきたい。可能であれば、フィンランド在住の現地人でネウヴォラを利用している家族に対してもインタビュー調査を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、フィンランドに渡航・滞在する旅費および国内で移動する旅費が予定した以上にかさんでしまった。よって、総額が不足になることを懸念して備品を買い控える結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に執行できなかった物品費は、28年度に電子辞書や携帯用PCを購入することで使いたい。尚、28年度の現地調査では、通訳の謝金も執行する予定である。
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