研究課題/領域番号 |
15K01924
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
井上 まり子 帝京大学, 大学院 公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
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研究分担者 |
鶴ヶ野 しのぶ 電気通信大学, 保健管理センター, 准教授 (10359630)
錦谷 まりこ 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (40327333)
矢野 栄二 帝京大学, 大学院 公衆衛生学研究科, 教授 (50114690)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会疫学 / コホート研究 / 就労形態 / 雇用形態 / 女性の就労 / 産業衛生 |
研究実績の概要 |
平成28年度は研究2年目を迎え、主に次の3つの作業を行った。1)関連する文献の調査、2)研究に関連する国の政策などの情報整理、3)厚生労働省に目的外使用申請とその受理であった。 まず、関連する文献については、1年とはいえ海外も含めるといくつかの関連する研究成果があり、多様な雇用形態で働く女性の健康についての文献の収集を行った。そしてテーマは異なるものの、研究で利用する公的統計である、国民生活基礎調査や21世紀成年者縦断調査、中高年者縦断調査を用いた研究論文もあったため、それらについて文献を収集した。こうした情報を読み込んで整理する作業を行った。 次に、現在日本では政府主導の働き方改革の実現のための準備が進んでおり、労働に関する制度が変革期にある。そのような変化についても情報を収集し、今後の労働政策の方針と産業衛生と関連しうる内容について整理を行った。このような時代と社会背景に伴い、様々な労働関連の出版が続いているため、必要な資料について入手して読み込み、異なる分野の著者らの書籍や文献から、雇用形態多様化や女性の就労に関する現状や問題点の理解に努めた。 さらに、本研究では厚生労働省にを行った公的統計「国民生活基礎調査」「21世紀成年者縦断調査」「中高年者縦断調査」の個別票を分析することになっており、入手可能な年度分のデータについて申請を行ってきた。担当部門との申請書類修正や追加書類提出などを行った結果、データ利用許可がおりて分析が行えるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存の研究の文献整理や、現在変化が進む働き方改革など政府の取組に関する社会的な情報収集については、順調に研究に関わる作業を順調に進めることができた。 他方、厚生労働省に申請していたデータは、3つの公的統計を複数年次分を同時に申請してきたため時間を要した。申請に関わる事前審査おいて書類の修正や追加書類の提出、ならびに、研究者の教育等の仕事の理由もあり、データの受理や分析準備が当初の予定より遅れてしまった。しかし、最終的には厚生労働省でのデータ申請も受理されており、今後の分析を共同研究者らとの協力のもとに進めることで進展が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後も昨年度と同様の研究作業内容になる。まず、文献の収集と読み込みと整理、現在の女性労働者と多様な雇用形態で働く労働者のための労働政策や産業衛生に関する情報収集を続ける。 そして今後、データ分析を本格的に進めるにあたり、大学院生などの研究支援員を改めて雇用してデータ整理の作業の支援を受けることを検討しており、若干遅れている研究進捗を取り戻すよう努めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、まず、当初の予定で学会の旅費などにあてる費用を多く見積もっていたが、まだ成果がそれほどあがらず、学会への旅費利用が少なかったことが挙げられる。そして、研究支援員の雇用や英文校正費用などについても当初予定より利用が少なかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、最終年度を迎えるにあたり、多くのデータ分析を円滑にかつ効率よく行うため、大学院生などを研究支援員として新たに雇用することを計画している。また、最終年度の成果を用い、論文投稿に関する英文校正への謝金などにも使用する予定である。
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