研究課題/領域番号 |
15K01926
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻村 みよ子 明治大学, 法務研究科, 専任教授 (30158381)
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研究分担者 |
矢野 恵美 琉球大学, 法務研究科, 教授 (80400472)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ジェンダー / ジェンダー法 / 男女共同参画 / ポジティヴ・アクション |
研究実績の概要 |
(1)研究代表者辻村みよ子は、フランスにおける近年のポジティブ・アクションの成果として、県議会議員選挙における「男女ペア候補制」が重要な意味を持つことに注目して資料を収集し、検討結果の一部を、辻村みよ子『選挙権と国民主権』(日本評論社、2015年4月刊行)に公表していたが、引き続きこれについての研究を継続した。さらに、2016年9月に『概説 ジェンダーと法(第2版)』(信山社、2016年)を刊行し、政治分野のポジティブ・アクションについて、第3章、第6章において研究成果を公表した。また、文部科学省「女性研究者研究活動支援事業」(平成26年度)に採択された明治大学において、同支援事業推進本部代表をつとめたことから、学術分野の男女共同参画に関する種々のシンポジウムや研究会等を組織・運営し、2016年12月8日の「総括シンポジウム」において、成果を報告した。 (2)共同研究者矢野恵美は、北欧諸国におけるポジティブ・アクションについて、大学における女性教員の雇用を中心に資料収集を行い、聞き取り調査を行っている。現在、北欧では大学における教員採用においてはポジティブ・アクションを使用していない。しかし、日本に比べ女性教員の割合ははるかに多い。北欧の経緯と現状について、2017年度に論文を出版することを目指して研究を継続している。また、日本の刑務所においては、そもそも女性刑務官が少なく、離職率も高い。この点に注目し、女性の刑務官試験受験者の増加、その後の離職防止について、ポジティブ・アクションを取り入れた方法についても研究を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)研究代表者辻村みよ子は、2015年度には学術分野の男女共同参画に関する大規模な国際シンポジウムの開催やフランスの女男高等評議会議長(大臣職相当)を迎えてのシンポジウム開催等により大きな研究成果を得たが、2016年度にはそれらを踏まえて著書の刊行による成果の公表を重視した。既述のように辻村みよ子『選挙権と国民主権』(日本評論社、2015年4月刊行)に引き続き、2016年9月に『概説 ジェンダーと法(第2版)』(信山社、2016年)を刊行し、政治分野のポジティブ・アクションについて、第3章/第6章において研究成果を公表した。(2)共同研究者矢野恵美は、北欧の大学の状況、日本における女性刑務官についてポジティブ・アクションの観点から研究を進め、2017年度に研究成果を出版予定である。(3)2016年12月6日に明治大学において両研究者の打ち合わせ会を開催し、次年度以降の研究計画等を検討した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ポジティブ・アクションと法曹養成に関する研究会を明治大学において開催し、ポジティブ・アクションの可能性と課題について検討する。 (2)共同研究者矢野恵美は、北欧の大学の状況、日本における女性刑務官について研究成果に関する論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年12月に予定していたフランス・イタリアの調査・出張を延期したことから、海外渡航費を次年度使用とした。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度に海外出張費を使用予定。
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備考 |
明治大学法科大学院専門法曹養成機関のなかにジェンダー法センター(2006~)が設置されており、研究代表者辻村みよ子がセンター長を務めている。
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