本研究は、郷土食/郷土料理と国家の政策が結びついた戦時期をはさんで、1920年代から1980年頃までに、郷土食/郷土料理がマスメディアにおいてどのように表象されていったのかを、主にジェンダーの観点から明らかにした。婦人雑誌『主婦之友』等の分析の結果、1920年代から30年代にすでに郷土食/郷土料理のレシピが雑誌に掲載されており、主婦が日々采配する「家庭料理」として表象されることで、この時期に郷土食/郷土料理はジェンダー化していた。さらに戦時期の代用食としての「郷土食」、高度成長期の郷土食/郷土料理の表象の転換についても考察を行った。
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