研究課題/領域番号 |
15K01935
|
研究機関 | 四国学院大学 |
研究代表者 |
大山 治彦 四国学院大学, 社会福祉学部, 教授 (70321239)
|
研究分担者 |
伊藤 公雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (00159865)
多賀 太 関西大学, 文学部, 教授 (70284461)
大束 貢生 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20351306)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 男性 / 男性性 / ドメスティック・バイオレンス(DV) / 男性のための危機センター / スウェーデン / エスニシティ / LGBT |
研究実績の概要 |
今年度は、スウェーデンにおける男性を対象とするDV対策について、文献調査として先行研究のレビューを行うとともに、当初の予定どおり、ヨーテボリ市の「男性のための危機センター」と、その一部である「ウート・ヴェーク・男性」を訪問し、職員への面接調査を行った。なお、残念であったが、利用者に対する調査は実現しなかった。 調査の結果、当該施設の発足の経緯やその後の変遷、そして男性加害者/男性被害者それぞれに対して行っている支援などについて、新たな知見を得ることができた。とりわけ「ウート・ヴェーク・男性」が提供している宿泊施設は、男性加害者を家庭から切り離すことで、被害者や子どもの安全を確保し、生活を立て直しを図ることのみならず、男性被害者を保護するシェルターとしての機能を果たしてることが明らかになった。また、外国にルーツのある男性や、HBT(LGBT)など性的少数者に焦点を当てた支援に積極的に取り組んでおり、その支援のあり方についても、明らかにすることができた。さらに、職員がどのようなジェンダー観、とりわけ男性性について、どのように考えているのかについても、理解を深めることができた。そして、センターの運営、とりわけ費用負担や非暴力グループのあり方などにおいて、今後の課題となる新たな疑問点などが浮かび上がってきた。 研究の成果は、国際学会および国内の学会で口頭発表した。また、広く国民に対して成果を還元するために、一般書籍(岩波ブックレット)や、男女共同参画センターなどでの講座(高松市男女共同参画センター)においても、成果を織り込んた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
来年度は、今年度の調査結果や収集した情報をもとに、スウェーデン・ヨーテボリ市における現地調査の結果を踏まえ、次のような現地調査を中心に研究を進めるものとする。1)具体的には、全国男性危機センター協会」 (ルンド)の施設職員への面接調査、および施設見学、2)関連するNGOの活動家への面接調査、および 施設見学を実施する。また、来年度は、研究をの成果を、日本家族社会学会、日本社会学会などでの報告を予定する。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度の調査結果や収集した情報をもとに、スウェーデン・ヨーテボリ市における現地調査の結果を踏まえ、次のような現地調査を中心に研究を進めるものとする。1)具体的には、全国男性危機センター協会」 (ルンド)の施設職員への面接調査、および施設見学、2)関連するNGOの活動家への面接調査、および 施設見学を実施する。 研究の成果については、日本家族社会学会、日本社会学会などで報告を行うともに、一般向けには、書籍などで発表をする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
【伊藤公雄への配分】科研費以外にも研究資金を得ること成功したことから、旅費について、科研費で支出する分を節約することができたため(日本経済研究センターによる助成金「スウェーデンにおける男性クライシスセンターの現状と日本社会への適用可能性に関する研究」、代表:伊藤公雄)。 【大束貢生への配分】予定より安い航空券を入手できたため、旅費が節約できたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
【伊藤公雄への配分】繰り越し金は、次年度の旅費に充当する。 【大束貢生への配分】繰り越し金は、次年度の物品費、もしくは人件費・謝金に充当する。
|