研究課題/領域番号 |
15K01937
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
寺村 絵里子 明海大学, 経済学部, 准教授 (70598870)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 国際比較 / 日台比較 / 高学歴女性 / 就業行動 / 家族関係 / 職場規範 |
研究実績の概要 |
本研究は、企業内の職場規範が女性の晩婚化・晩産化及び就業行動に与える影響について、日本・台湾・インドの三カ国を対象とし、比較検証を行うことを目的とする。特に高学歴女性に焦点を絞り、日本・台湾女性の働き方、家族関係の違いを検証することを通じ、日本女性の働き方の問題点を探るものである。具体的な方法としてはミクロデータを用いた計量的分析とデプスインタビューによる質的調査の双方を併用する。2017年度は国内学会5回の発表を行った。 ミクロデータの分析については、日本については良好なパネルデータ及びクロスセクションデータを用いた分析がすでに進行している。台湾についても良好なパネルデータが入手でき、日本と比較研究を進めている。 デプスインタビューについては、計20名の女性に対する調査を終了した。国内学会で発表を終え、今後台湾で単著論文、日本・台湾で共同論文を執筆予定である。 日台比較については両国とも極出生率という共通項があるものの、就業及び家族関係については大きな違いが確認された。特に高学歴女性に絞ってみると、日本女性の無業比率が特筆すべき点であり、またその背景をより深く検証することが必要である。 また、日台比較については2019年春をめどに書籍化を予定しており、日台高学歴女性の働き方、家族関係について書籍という形で結果を残したいと考えている。最終年度において論文及び書籍にまとめ、投稿活動を行っていく予定である。 研究代表者 寺村絵里子(明海大学)研究協力者 Maitreyee Bardhan Roy (Basanti Devi College)研究協力者 孔祥明(世新大学) 研究連携者 佐藤一磨(拓殖大学)研究連携者 萩原理紗(明海大学)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は2015年10月追加採択されたことにより、当初予定より半年遅れの進捗となっている。進捗スケジュールを再検討し、研究協力者及び研究連携者の協力を得た上で、ミクロデータの分析により力点をおいた研究を進めることにした。 計量的分析で用いるデータについては、新たに国際比較パネルデータを用いることにより進捗の遅れをカバーした。ただし使用変数の制約もあり、本分析では晩婚化・晩産化に影響を与える要因として職場規範にとどまらず多様な要因を考慮した分析となった。 デプスインタビューについては日本・台湾国内のインタビューを終え、テープ起こしも終了した。またその後学会発表で指摘されたBack Translationにも対応した。 これらの遅れに対し、本研究を2018年度末まで延長した。あわせて、論文投稿だけでなく書籍化に向けて研究を進めることとなったため、2018年度中に集中して成果を出したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
台湾・インドの研究協力者とは2015年度に策定したスケジュールに沿い、2016年度に分析・調査を行ってきたが、2018年度末までに成果を出せるよう、予定を進めている。 具体的には、日印比較分析としてはパネルデータを用いた比較研究及び四ヶ国比較(2件)、インドの公的統計を用いた女性労働の研究(1件)、日台比較分析としてはパネルデータを用いた比較研究(1件)、日台のミクロデータを用いた比較研究及びデプスインタビュー(1件)の計4件の研究を進めている。うち、2件は英語論文、2件は日本語論文として成果物にしたいと考えている。特に、このうち日台比較研究については章立てを増やし書籍化を予定している。 国際比較分析であることから、成果物は日本国内のみならず海外において積極的に発信していきたいと考えている。今後発表内容を成果物にまとめ、特に日印比較研究については英語論文として海外の雑誌等に積極的に投稿活動を行っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回、研究計画を見直し研究期間を1年延長し2018年度末までとした。そのため、最終年度に向けて使用予算を減らし、残額約320,000円を最終年度の2018年度に使用することとした。
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