研究課題/領域番号 |
15K01942
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
三井 栄 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30275119)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 意識構造分析 / 地域活性化 / 観光 / まちづくり |
研究実績の概要 |
①岐阜県内企業におけるリニア開業に関するアンケート調査と分析 高速道路の経済効果の計測同様に岐阜県内におけるリニア開業に対する効果と期待を検証するために、アンケート調査を行う。企業の直接的評価として利用度、営業圏域・商圏の拡大、地域外からの仕事・雇用確保などの項目が挙げられる。また、地域経済への影響としては、地域内の雇用地域外企業との競争、地域内の仕事・顧客の流入出を含め地域間競争や今後の期待感に関する影響を把握することを目的とする。 ②岐阜県内観光産業におけるリニア開業に関するアンケート調査と分析 中間駅が建設予定の地方圏においては、交流拡大による産業振興と同時に観光産業への期待が大きい。中でも、岐阜県においては中津川市に中間駅と併せて整備工場と車両基地からなる「総合車両所」の計画があり、観光資源としての活用が待望されている。そこで、観光交流産業への影響を把握するため、主な観光施設と宿泊施設を対象に各施設及び地域への影響に対する期待感について調査を行う。 →ほぼ27年度の目標は達成し、①、②に関しては十六銀行・東濃信用金庫等の地元金融機関に調査協力の下、調査結果を取りまとめた。また、「岐阜県におけるリニア中央新幹線開業への期待に関する考察― 企業の意識構造分析 ―」『日本都市学会年報』Vol.48(査読付論文)として公刊した。さらに、公開セミナー「観光と地域経済の活性化」を実施し、「中部地域の概要と経済動向」と「昇龍道プロジェクトと地域経済の活性化」について中部運輸局、中部経済産業局、岐阜県をはじめとした自治体、金融機関等の方々と学生も交えた研究および情報交換の機会を設けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ27年度の目標は達成し、その成果を学術論文(査読付論文)として公刊した。さらに、28年度の研究成果につなげるために、岐阜県駅が設置されると東濃地域の地元自治体と協力体制を構築し、住民に対するアンケート調査の準備を行っている。 また、地域のおける公共交通機関の役割を考察するために地方鉄道に関する分析も行い、学術論文(査読付論文)として公刊した。
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今後の研究の推進方策 |
岐阜県中津川市内の企業および住民へのアンケート調査とヒアリング調査の実施 岐阜県内においてリニア開業の経済効果が最も現れやすいと予測される中津川市(リニア駅および車両基地設置予定地)への影響に着目する。まず、地元企業を対象とし、リニア中央新幹線駅や車両基地の設置による事業への影響、開業の影響として、販路やビジネスの機会、首都圏や名古屋圏への移動頻度、取引の頻度、事業PR、空港へのアクセス向上、雇用創出などへの期待度を把握し、市内産業への影響度を計測する。 地元住民を対象とし、日常の市内の交流状況(行き先、目的および頻度など)を調査すると同時に、リニア中央新幹線駅や車両基地計画の周知度、開業の影響として、東京や名古屋への移動のしやすさ、観光客やビジネス客の増加、企業立地や雇用の創出、人口流入、知名度アップ、開発による都市機能の充実などへの期待度を把握する。 当該研究においては岐阜県中津川市および恵那市との協力体制についてご了解を得ている。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査およびヒアリング調査に関して27年度が準備段階となり、28年度に本格的な入力および調査、分析作業を行うことになったため
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次年度使用額の使用計画 |
27年度に購入予定であった分析ソフトおよびデータ入力のための人件費は28年度に使用する予定である
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