観光が高度化・大衆化するなかで、生活(空間)と観光(空間)の接近が進み、楽しみやレクリエーション活動(その一形態としての観光)が生活空間―さらには都市空間―の秩序を規定する兆しが生まれている。 生活者が観光を通じて他所を知り、生活者が観光する者を受け入れることで他者の目を通して自らの生活空間を知る。このことが生活者の空間への意識や関与を高めており、景観の質の向上や地域コミュニティの関係性の維持や改善にもつながる可能性があることを指摘した。 他方生活と観光の接近が新たな対立も生み出しており、観光という観点をも組み込んだ都市空間管理がこれまで以上に必要となってきている。
|