研究課題/領域番号 |
15K01950
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
佐々木 淳 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (20305296)
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研究分担者 |
山田 敬三 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (60325579)
高木 正則 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80460088)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 観光情報 / 情報システム / SNS / データ可視化 / 推薦システム / ツーリズムデスティネーション |
研究実績の概要 |
我が国の地方においては観光産業の活性化が求められている.本研究では,地方における潜在的な観光資源及びターゲットユーザの発見を目的とし,SNSデータを用いたツーリズム・デスティネーションの可視化を行った.具体的には,SNS中のユーザプロフィール,写真投稿サイト,チェックインサービスのデータを用いて,訪問者が多いスポットを,旅行者の属性ごと(性別,年代別,出身地別)に表示するシステムを試作した.また,写真投稿サイトユーザの写真撮影箇所と,投稿された写真の被写体ついて調査した.これにより,旅行者の属性によって人気のある観光スポットが異なることと,ユーザ特性と観光スポットの関係を明示することができた.本年度は,Flickr写真の被写体を手動で分析することにより,Flickrは,一般の人よりも風景や建造物の写真が多く掲載されている傾向が高く,人物や食べ物の写真はあまり掲載されていないことがわかった. また,地方においては,多様な観光スポットに外国人旅行者を呼び寄せることが求められている.本研究では,Flickrに投稿した写真撮影者を出身国別に分類し,撮影された写真枚数の多い観光スポットと撮影者の国籍との関係を可視化した.ケーススタディとして,外国人が岩手県内で撮影した写真を分析した結果,訪問した場所について,出身国別や季節別に差異があることが分かった.これらの分析結果は,出身国に基づく観光推薦ができるだけでなく,潜在的な魅力ある観光資源を発見し,外国人旅行者の嗜好をつかみ,新たな観光サービスの展開などにも活用できる.しかし,これまで行った分析は,手作業が多く,膨大な写真データに対する分類と分析については大きな負担が必要である.今後は本作業の自動化が求められる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SNSデータを用いて岩手県内の旅行者行動を分析し,観光地の特性(観光資源,好まれる旅行者のプロフィール,季節特性など)の分析,潜在的観光スポットを発見できた.ただし,三陸沿岸地域の特性についてはSNSデータが不足しているため,他のデータと合わせて分析する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
SNS写真データの位置情報だけでなく,写真の被写体を自動分析する手法について研究を進める.また,Flikrだけでなく,他のSNS利用ユーザの行動分析も行い,多様なユーザデータから新たな観光資源の発見に役立つデータを収集する.また,季節特性,移動時間を考慮した,三陸沿岸地域に誘導できる観光ルート推薦システムの構築を目指す.さらに,外国人旅行者に対しては有効な交通手段も含めた観光ルート推薦システムを開発を目指していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は理論研究,データ分析に時間要し,三陸沿岸地域に出張して実態調査との比較を行うことができなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は,分析データから得られた観光スポットの確認のため,三陸沿岸地域の実態調査を行なう.また,本研究で提案された手法による観光ルート推薦システムの評価を行う.このための出張費として使用する計画である.
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