| 研究課題/領域番号 |
15K01957
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| 研究機関 | 奈良県立大学 |
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研究代表者 |
石本 東生 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (00713231)
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| 研究分担者 |
江口 久美 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 助教 (30720221)
岡村 祐 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (60535433)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | ギリシャ・エーゲ海 / サントリーニ島 / イア地区 / 強い観光地 / 伝統的集落再生 / 伝統的集落保全法 / ギリシャ政府観光局 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では「ギリシャにおける伝統的集落の保存・再生事業と『強い』観光地形成の政策研究」という課題のもと、3年間の調査研究を行った。平成29年度の研究最終年度は、ギリシャ・エーゲ海において世界的にも屈指の観光人気を誇るサントリーニ島のイア地区が、同島内および広くエーゲ海の他島の観光地と比較しても、はるかに高品質の伝統的集落再生型の町並みを保全し、ひいては落ち着いた格調ある宿泊施設、飲食店などを擁している、その要因を精査した。
すなわち、アイランドリゾートではあるものの、唯一無二の美しい伝統的集落景観を再生・維持し、その上で営業可能な店舗業種を規制した「用途制限」の条項を設け、店舗における屋外広告物、陳列台の配置、公共空間の占用、営業による騒音公害等への対策をも規定した「1993年大統領令」（イア集落対象）の全体像を明らかにした。これは本研究における最大の成果であったと確信する。
また、29年度は、1976年から92年まで継続したギリシャ観光省ギリシャ政府観光局によるイア集落再生プロジェクトにおいて、指揮監督を行った最重要人物、ギリシャ人建築家のヴ－ラ・ボジネキ氏と出会い、充分な調査協力も得ることができた。そして、先述の1993年大統領令については、ボジネキ氏のまちづくりに対するビジョンのもと、氏自身が中心となって同大統領令の草案を作成したことも判明した。その背景には、サントリーニ・イア集落の発展を見つめつつも、その地に暮らし、幼い子供たちを育てていく一人の住民として「観光公害」を蔓延させないための必死の抵抗があったことも浮き彫りとなった。
これらの研究成果は、平成29年6月欧州の国際都市計画学会"International Conference Changing Cities III"（ギリシャ・シロス島）にて口頭発表を行い、且つ同学会の学会誌（査読付）にも発表した。
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