南アジア地域における持続可能な観光開発の一形態としてのコミュニティ・ベースト・ツーリズムの現状と課題について調査研究した。バングラデシュでは、長年現地で活動してきたソーシャル・ビジネス団体がその信用のうえに事業をうまく展開している事例が存在した。インドでは、中央政府が主導する事業では成果が出ていない一方、州政府や州政府が任命するコーディネーターが活躍している事例では成功裏に進んでいた。どれも未だ萌芽的な発展段階であるが、地元コミュニティと観光との間を取り持つ仲介団体がうまく機能すれば、今後、南アジアにおいてもコミュニティ・ベースト・ツーリズムの進展の可能性が充分にあることが展望された。
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