本年度の目標は、これまでのプロセスを国内のいくつかの地域に適用し、アクションプログラムの策定を行うこと。アクションプログラムを、実施体制の整った地域から試行すること。大量の地域情報を収集・加工・蓄積し、テキストマイニングの様々な手法を用い分析し、アクションプログラムを策定する過程の標準化を行い、多くの地域で利活用できるように汎用性を高めること。を目標としていた。 このうち、アクションプログラムの策定までは到達できたが、実施については、現地との実行体制が整わず実行するには至らなかったが、次年度以降の実施の方向で現地と継続的に協議している。現地の情報の収集に当たっては、各地域で使用されている小学校社会科の地域を知るための副読本を対象として、分析をすることにより、これまでとは異なった、地域に根差した潜在的観光資源の発掘に寄与できる観光対象となりうる事象を発見することが出来た。 また、北海道新聞の記事データベースを活用し、当該地域及び周辺の地域に関して、分析を行い比較検討を試みたが、顕著な成果を掲げるには至っていない。当該の地域同様、SNSやブログ、副読本を分析し、比較検討を行うことにより、その差異性を明らかにすることができると考える。 今年度、新たに研究協力者として加わった伊藤寛教授の様々な助言や語彙からの分析により、観光の領域でテキストマイニングを推進するために不可避である、観光のテキストコーパス(観光に関する言語資料の集合体)を作成するための草案の作成に着手し一定の方向性を見出したことも成果の一つである。 ここまでの成果は、札幌国際大学紀要(2018)に『地域副読本に見る潜在的地域特性の可視化手法に関する考察』として発表した。
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