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2015 年度 実施状況報告書

ホテル資産運用管理にかかわるステークホルダーの構造的関係‐日米比較研究を中心に‐

研究課題

研究課題/領域番号 15K01967
研究機関帝京大学

研究代表者

金 振晩  帝京大学, 経済学部, 准教授 (60554160)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードホテル / ホテルアセットマネジメント / ホテルアセットマネジャー
研究実績の概要

平成27年度の研究成果は、まず、全体を統括する研究計画の再確認をするとともに、先行研究を整理し、理論的枠組みを構築した。理論研究は、全体を統括する理論として経営管理に関する研究、量的質的の両研究手法に関する研究、ホテルアセットマネジメントに関する研究の3 つの柱を置き、相互の関連を明確化を試みた。また、日本国内のHAM 状況を把握するため、ホテルアセットマネジメントの専門家に対するヒアリング調査を行い、ホテルアセットマネジメントのマーケットの全体像を把握した。
上記の成果を踏まえ、ホテルアセットマネジャーのプロフィール調査を設計するため、ホテルアセットマネジャーとして活躍している方を対象にヒアリング調査を行った。ホテルアセットマネジメントに対するそれぞれの立場や役割を明確し、ホテル経営における両者の存在意義を明らかにするとともに、ホテルアセットマネジャーの役割等を明確しながら、ホテルアセットマネジメントにかかわるステークホルダーの構造的関係の整理を試みた。その結果、日本ではホテルアセットマネジメント及びホテルアセットマネジャーが明確に区別されておらず、不動産投資関連のひとつの分野として位置づけされていることが分かった。また、現在、日本で活躍されているホテルアセットマネジャーの多くはアメリカのMBAなどで留学して現地での実務経験を経て日本に帰ってきていることが分かった。
また、日本の大学のカリキュラムを調べてみたところ、日本の大学においては、ホテルアセットマネジメントの科目は殆どなく、一部の会計学研究科に開設されているほか、正規科目よりは寄付講座、課外講座のような形で単発的に開設している学校が数件ほどあった。つまり、日本においては、ホテルアセットマネジメントに関する認識や実務の需要は低く、大学においても人材育成体制が整っていないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は、平成28年度の定量調査及び定性(事例)調査のための事前調査の位置付けであり、平成28年度の調査のための資料は十分確保できたと思われる。定量調査のため、日本ホテルアセットマネジャー協会に協力をしてもらう予定であるが、万が一、日本ホテルアセットマネジャー協会の協力がもらえない場合でも、日本不動産金融工学学会へ協力要請をしてある。但し、日本で活躍しているホテルアセットマネジャー数が少なく、普段の業務が忙しいため、今後、定量調査の実施に当たって、サンプルの確保が最大の課題となっている。
また、定性(事例)調査を実施するため、ホテルアセットマネジメントに関する勉強会及び研究会に出席しており、ホテルアセットマネジメント業界で活躍されている専門家との人的ネットワークを構築している。この人的ネットワークは定性調査だけではなく、場合によっては、定量調査においても協力要請が可能である。
上記を踏まえ、研究計画に基づき、調査を進めて行けば、研究目的を達成できると判断できる。

今後の研究の推進方策

平成28年度の研究計画は下記の通りであり、「ホテルアセットマネジャーのプロフィール調査(定量、28 年8 月頃まで)」、「米国におけるHAM 研究に関する実態調査①(定性、28 年8 月~9 月頃)」、「ホテルアセットマネジャーの育成環境調査」を行う予定である。
まず、「ホテルアセットマネジャーのプロフィール調査」においては、日本で活躍しているホテルアセットマネジャーの業務内容や経歴を把握するためにプロフィール調査を行う。また、その結果は日米比較分析を行う。調査対象者は日本HAMA 会員及びHAM業界関係者を対象とする。母集団となる日本HAMA の会員が約30 人で少ないため、HAMA に加
入していない業界関係者を含めて調査を実施する予定である。
次に、「米国におけるHAM 研究に関する実態調査①」においては、HAM に関する日米比較研究のため、米国への現地調査を行う。海外共同研究者であるSingh 准教授の協力を得ながら、米国におけるHAM マーケットの市場規模及び動向を調査する。また、Michigan State University の School of Hospitality Business のHAM教育に関するカリキュラムを分析する。
最後に、「ホテルアセットマネジャーの育成環境調査」においては、人材育成機関である大学や大学院を対象に、どのようなカリキュラムで講義や実務演習が行われているのかについて、教育関係者へのインタビュー調査及びカリキュラム分析を実施する。
上記の成果を踏まえ、学会発表や論文にまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度においては、アセットマネジャーのプロフィール調査(定量調査)にかかる費用と、インタビュー及びヒアリング調査(定性調査)にかかる費用、アメリカの実態調査にかかる旅費など支出項目が多い。特に、平成28年度においては、インタビュー及び事例調査のための出張が多いと想定されるため、平成28年度分として請求した旅費だけでは、旅費が不足する可能性もある。従って、平成28年度以降、よりスムーズな研究調査遂行ができるように、平成27年度の研究費を節約して使用した。

次年度使用額の使用計画

平成28年度の研究費の具体的な使用計画の詳細内訳は次の通りである。国内旅費(32万)、海外旅費(40万)、定量調査費(30万円)、定性調査費(10万)、人件費(テープ起こし15万、通訳20万)、図書購入費(6万)となっている。
上記の研究費の使用計画に合わせ、平成27年度の研究費の残った分は、研究旅費及び人件費の予備費、物品費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本におけるホテルアセットマネジメントの推進課題に関する研究2016

    • 著者名/発表者名
      金振晩
    • 学会等名
      総合観光学会
    • 発表場所
      帝京大学八王子キャンパス
    • 年月日
      2016-06-25 – 2016-06-26

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公開日: 2017-01-06  

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