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2017 年度 実績報告書

カント目的論のコンテクストとしてのバウムガルテン「自然神学」の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K01984
研究機関筑波大学

研究代表者

檜垣 良成  筑波大学, 人文社会系, 教授 (10289283)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードバウムガルテン / カント / 形而上学 / 自然神学 / 知的直観
研究実績の概要

1. アレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン(Alexander Gottlieb Baumgarten)の『形而上学』(Metaphysica, 1739 Halle. 4. Auflage, 1757)第4部「自然神学」(theologia naturalis)の「神の意志」および「神の行為」を検討した。特に、神の意志に関しては、これまでに検討してきた『形而上学』の先行するテクスト(「自然神学」全般および「神の知性」に関するテクスト)を踏まえて詳細に吟味し、その部分のテクストの本邦初訳を活字化した。「他者に対してよく行なおうとする意志規定」が「慈善」(bonitas)であるが、これがそれぞれの人格に対して釣り合いがとれているとき、正義(iustitia)がある。

2. また自然神学の議論をより正確に理解するために『形而上学』第1部「有論」第2章第1-3節のテクストも再検討し、「必然的なものと偶然的なもの」、「可変的なものと不可変的なもの」および「実在的なものと否定的なもの」についての理解を深めると同時にその部分のテクストの本邦初訳を活字化した。

3. これまでの研究で理解を深めてきたバウムガルテンにおける神の知性と意志のありかたを、本研究の最終目的であるカント哲学のより深い理解に役立てるために、まずは「知性的直観」に的を絞ってカントの思想と比較対象し、その成果を日本カント協会で発表し、さらに論文にまとめた。神の知を「単純な知解の知」、「自由な知」および「中間知」に区分したバウムガルテンに対して、カントは「神に関しては可能的なものと現実的なものとの間にはいかなる区別もない」と批判し、私たち人間の表象のあり方の特質を明らかにしてゆく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] カントにおける可能性と現実性の実在的区別:神の直観的知性の問題2018

    • 著者名/発表者名
      檜垣 良成
    • 雑誌名

      哲学・思想論集

      巻: 43 ページ: 23-38

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] バウムガルテン『形而上学』第4部「自然神学」第1章「神の概念」第3章「神の意志」試訳2018

    • 著者名/発表者名
      石田 隆太、檜垣 良成
    • 雑誌名

      筑波哲学

      巻: 26 ページ: 108-122

    • DOI

      10.15068/00151062

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] バウムガルテン『形而上学』訳注:第1部「有論」第2章第1-3節2018

    • 著者名/発表者名
      栗原 拓也、石田 隆太、檜垣 良成
    • 雑誌名

      筑波哲学

      巻: 26 ページ: 83-107

    • DOI

      10.15068/00151061

    • オープンアクセス
  • [学会発表] カントにおける知的直観の対象の存在――可能性と現実性の区別――2018

    • 著者名/発表者名
      檜垣 良成
    • 学会等名
      日本カント協会第42回学会

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公開日: 2018-12-17  

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