研究課題/領域番号 |
15K01988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 國學院大學 (2016-2018) 一橋大学 (2015) |
研究代表者 |
藤野 寛 國學院大學, 文学部, 教授 (50295440)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 美学 / 倫理学 / 現代芸術 / アドルノ / ゲオルク・ベルトラム / エーバーハルト・オルトラント / 『美学講義(1958/59)』 / 『美学講義(1961/62)』 |
研究成果の概要 |
第一に、西村誠氏と申請者を中心に14人のメンバーで「美学研究会」を開催し、アドルノ『否定弁証法』『美の理論』『美学講義(1958/59)』を原典講読し議論した。この研究会を母体に「アドルノ美学」をテーマとする論文集の上梓をめざし書籍原稿を完成した。第二に、申請者が、ベルリンのヴァルター・ベンヤミン・アルヒーフに所蔵され、訪問者に閲覧と筆写が許されるアドルノの遺稿の内1961/62年の『美学講義』を閲読の上で筆写する作業を継続した。第三に、エーバーハルト・オルトラント氏(ビーレフェルト大学)、ゲオルク・ベルトラム教授(ベルリン自由大学)を招聘し、アドルノ美学に関する講演会とコロキウムを開催した。
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自由記述の分野 |
哲学(倫理学)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アドルノ美学は、その重要性が広く認められているに比して、十分に受容されているとは言い難い。その主たる理由は、美学上の主著『美的理論』が極めて難解に書かれていることにある。その結果、邦訳は誤訳の羅列であり、とりわけ日本においてアドルノ美学の受容が進まない状況を生んでいる。 本研究は、第一に、この難解な著作をドイツ語原文で読む研究会を継続することを通して、第二に、アドルノの未刊行の『美学講義1961/62』を筆写し研究会において共有することを通して、第三に、ドイツからアドルノ美学研究者を招いて学問的交流を進めることを通して、上記のような現状を打破することをめざし、期待以上の成果をあげることができた。
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