ハイデッガー哲学と京都学派とりわけ西田幾多郎と西谷啓治の哲学を、「場所的‐情意的知」という共通の観点から捉え、相互に比較対照することで、各哲学的立場の特性を考察し、さらに現象学的運動の展開と照らし合わせながら、現代における哲学知の可能性を探ることを試みた。本研究の独自性は、国内外で注目されているハイデッガーと西田両者の思想を、あえて共時的に突き合わせるところにある。また、西谷哲学は前二者に比べると研究が遅れているが、申請者の研究が嚆矢となる可能性を持っていると自負している。 研究成果はすべて、日本語、ドイツ語、英語による論文や発表で公開し、毎年ドイツに出張して研究者との交流に努めた。
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